第7話
大路亜也は悩んでいた…なんか、とんでもない人に好かれたかもしれないと…
でも、間違ってたらはずかしいし、気付かない振りでもしとくかなぁ。女の子をはぐらかすのは慣れている(嫌な慣れ方だけど)
「亜也なんかようす変」
「これは、あの由紀くんと何かあったパターンよね、しばらくは観察よ!しずく!」
「ラジャー!絶対良い瞬間を収めてやるんだから!」
亜也の知らないところで亜也の恋路を見守ろうとする2人の熱いまなざしのことなんか知らず、今後について考え始めた亜也であった。
「大丈夫かい?お姫さまっ」
「あっ、はい!王子様 本をとってくださりありがとうございます」
「うん、またね」
きゃーーーーーーーーーーーーーっ!!!
いつにも増して亜也が無意識のうちに王子様カウンターを発揮している。
廊下を通れば 落ちたペンを、ノートを取ってくれる、拾ってくれる
全部王子様として、振舞ってる
「やばっ。亜也が暴走してる、とめなきゃ!撫子部長止めにっ…撫子部長?」
撫子部長はノートを握りしめたまま一歩も動かなかった、ブツブツと唱え出している。
「ふふっ、そうよ!亜也!創作意欲湧くわー」
次の台本が決まろうとしていた…
「しずくも!って、ああ、手遅れかぁ」
西条しずくは早くも亜也の色香に当たり床に座り込んでいた。かおは火照り目は虚ろ
「亜也王子カッコいー」などと、普段の西条しずくからは発せられることのない言葉である。
こらはまずいと加奈子の中の加奈子が警報を鳴らしているが
目の前の王子様オーラ全開の大路亜也には到底叶うわけもなく無残にも敗れたのである
その様子を校門前で目撃した、蒼葉男子校の皆さんはあれよあれよと亜也の王子様オーラというか全力なる色香に当たり、崩れ落ちて行ったのであった。