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第5話




「なんであんたがいんのよ輝」

ファミレスに来て早々加奈子が口を開いた。

國分輝は加奈子が来ることを予期してなかったようで、ぽかんとしている。



撫子部長が男子は向こうへ座れ!と喝を入れたので

男子は向こう側の席に座る事になった。まるで合コンのようだった。

阿川部長、輝、なんか女のこみたいな子、スッゲェ睨んで来るヤンキーという順で並んでいる。ヤンキーに至ってはなんか怖い…なんだろ、ガン付けられてんのかな?


女子組も 撫子部長、加奈子、亜也、しずくの順で並びとりあえずドリンクバーを頼むことからはじまったのだった。



「えっと、君が桜姫くんかな?」


恐る恐る撫子が阿川の隣の子に話を聞き始めた


その子は男子校の制服が似合わないようにも見えた。

その子の名前は『桜姫 由紀』というらしい、しかも蒼葉男子高等学校の生徒会長だという。

こんな、弱々しいのに?女子4人が同じことを考えた、無理矢理入れられたのかしら?と、


「あ、はい。僕が桜姫由紀といいます。達郎とは従兄弟なので、相談に乗ってもらおうとしたら全力拒否されたので彼女さんだったらどうかな?って思ったんですけど、」



「あー、ダメダメ。このカップル純情清純真っ盛りだから、あてにならないよ」


と、加奈子はキッパリハッキリと言った、言い切った。


「純情清純真っ盛り…」

コテンと首を傾げる由紀を他所に加奈子は喋り続けた


「だいたい、この2人休日何してると思う?お家デートよ!?だったらもうさ やり放題じゃない??なのによ?2人でジェンガを朝から晩までしてたのよ?馬鹿なの?!ってツッコミ入れたわよ!顔を見るのが幸せ、目を合わせて赤面、手が触れたら慌てふためく、この2人に恋の相談は無理よ!きくんだったら私か、そこの私の彼氏にでも聞きなさい!!」


「加奈子素敵っ!惚れ直した!!」


「そこの彼氏って、まさかお前彼女持ちだったのか!??」

驚愕の表情を浮かべ、輝をガン見するヤンキー。


「あれ?言ってなかったっけ…五年付き合ってる彼女が居るって、まっそーゆことだから」



「まあ、僕は加奈子さんとは初対面じゃないしね。」

ズズッと、ストローでドリンクを飲み干す由紀がいた。



「で、由紀君はさ、恋しちゃってるわけ?」


「…相変わらずブッ込んできますね」


「えー、ダメだった?恋話なんでしょ?言わなきゃー語らなきゃーなんにも始まらないよ?」


加奈子可愛い!と輝が横でめちゃくちゃ煩いので、

話す事にした。今気になってる存在のことを



話した後 大路亜也は赤面しながら顔を手で覆っていたし、加奈子については亜也をガン見している。とっても嬉しそうだ。西条しずくも亜也をじっと見てる。


「…亜也、知ってるんでしょう??」

加奈子は亜也のポケットをまさぐった。


ポンっと

可愛いレースを身にまとったウサギのぬいぐるみが出てきた。


「ひぃっ!な、何を??」



「いま、桜姫くんが携帯で差し出したこの写真のうさちゃん確か私が亜也にあげたやつと酷似してるんだよねー、ねぇ、王子??」



「…そ、そうだよ!僕が王子だよ!隠してるつもりはなかったんだ、かおは見えなくても話し相手として友達として居るだけでよかったんだ!!」

亜也はウサギぬいぐるみを左右に揺らしながら喋り出した。

亜也ってば!そんなイケボイスで喋ってたの!?

マジうける!!んですけど!!


桜姫由紀は制服のポケットから猫のぬいぐるみを出して同じトーンで話し出した。


「まさか!王子が女のコだったなんて!でも私も同じようなことしてたし、おあいこだね!」


ちょっと待てぇ!!

亜也ならわかる!てか!おまえもか!!


「姫っ!ありがと、そうだ、せっかくだからLine交換しない??そしたら毎日話せるよね」



「…そうだね!王子、姫って言わなくても良くなるしね!」



こうして、亜也と由紀はLine交換をした。


すんなりとした。


「…亜也、あんた。タイプなんでしょ?可愛い系男子が」


「あーうん。可愛い系男子はタイプですねぇ」


本人がいるにも関わらずヌケヌケと亜也は言う


「特にこの、身長!ベストです!でも絶対さ、桜姫くんにナイトの衣装似合うって!!撫子部長どうかなぁ??聖・蒼葉祭 混合劇やってみよーよ?」



「…そうね。いいかもね、んー。私は引退が近いからあんた達三人で動かしてみなさい。

大丈夫よ、脚本は書くから衣装も手伝うし、ただ場をまとめるのは亜也の仕事ってだけよ?そうだせっかくの混合劇だし」


チラッと撫子部長は蒼葉の方を見た。


「この子達にも協力してもらったらいいんじゃない?個性派ぞろいだし」



「なっ〜」


「拒否権は認めません部長命令です、いいわよね?達郎さん??」



「わりぃ!お前ら頑張れ」



「なっ!俺は参加しねぇぞ!!」


壊都が達郎に突っかかった時に後ろから輝が

「由紀にお前のことバラすけど?」

と、満面の笑みで耳打ちし、壊都は泣く泣く参加する事になる。


「楽しそうだね是非参加するよ、と言うことはマリアズの生徒会にも挨拶しなきゃだね?」


「あ、その必要ないから」


「え?でも、」不思議に思う由紀に撫子部長は当たり前のようにいう


「聖・マリアズはね、演劇部が生徒会みたいなものなの。ここにいる子達全員生徒会役員だから

挨拶しなくてもいいわよってこと」


「大路亜也、生徒会副部長次期会長」

「有栖川加奈子、生徒会副部長 だし、西条しずくも生徒会副部長だしね、まぁこの2人は他の部活かも兼任してっけど有能さんよ?」


「だから、問題は無いって事ですか」


「そーゆーこと。由紀くんの恋バナはなんとかなったし、そこのヤンキー君はなんかどんよりしてるし、解散でいいわよね?面倒だしはい!解散」




部長の解散宣言されて数刻


撫子部長と達郎先輩は真っ赤になりながらも腕を組んで帰っていった。


有栖川加奈子と、國分輝は輝が加奈子に猛烈アタックをしながら 加奈子が舌打ちをし、追いかけっこをしながら帰っていった。よく続くなと思う。


白石壊都は由紀がっ!由紀がっ!とブツブツ言いながら由紀と別方向に走っていった。



西条しずくも壊都を心配して帰っていった。


気がつくと私、亜也と 由紀君しかいなかった。

流石に2人で残るわけにもと思います席を立とうとした時


バシッと手を掴まれたのだ。


「あ、ごめん。でも待って」


由紀はゴソゴソと制服のポケットから 猫のぬいぐるみを出して

「うさぎと交換しよっ」と言ってきたのだ


「でも、交換したら王子じゃなくて、姫になっちゃうよ?」



「こんな時こそ姫になったらいいんじゃない??猫は姫。ウサギは王子、それでいいんじゃない?それか、亜也さんは何処にお住まいで??」



「蒼葉三本木町」


「なんと!一緒だ!じゃあさ、Line交換記念に一緒に帰ってもらえますか?姫?」



「よ、喜んで…恥ずかしいよぉ〜やっぱやめよこれ王子の方がいいよぉ〜」


「だーめ。可愛い系好きなんでしょ?僕と2人っきりの時は姫って呼んであげるから、僕のことも王子って呼んでよ」


内心ヒィ〜と亜也は思ったが


異性に「姫っ!」なんて呼ばれる機会が無いのでこれはこれでいい体験だなと思い


仕方なく、2人で帰る事にした









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