第2話
ここは とある部室。
カチャカチャと誰かが一人作業をしている。
「よし、これで今回の演劇部の写真は完成ね!亜也は気乗りじゃなさそうだけど、部長がいる間は我慢よね!加奈子にも見てもらわなきゃ」
バタンとやや強めにドアを閉め 西条 しずくは写真部の部室を後にした。
演劇部 部室
「さっすが!流石よ!西条、これだったら今年の文化祭一位狙えるわよ!」
部長は絶賛の嵐、亜也は呆れ気味
「そんな大袈裟な」
加奈子が亜也の横から顔を出し
「中々のイケメンに写ってるわね、亜也。
部長 確かに文化祭では一位を狙えるかもしれないけれど今年は3年に一度の聖・蒼葉祭があるのをお忘れかしら?」
聖・マリアズと、蒼葉男子高等学校の合祭である。伝統的な学園祭であり、かれこれ100年くらい続いている。
各校の素敵な部分を素敵な部活を競い合いその中で順位を決める〜そんな学園祭なのだ。
ぶっちゃけると、女子校と男子校の文化祭なので
社交の場所、良い人と出会えたらいいね!みたいな感覚である。
「わ、忘れてたわ。もうそんな季節なのね…私が一年の頃 出会った殿方は元気かしら…」
ほうっと部長 北上撫子は窓を開け外の樹々を見つめる
「元気じゃないですか、毎日送り向かいしてもらってるくせに」
つかさず 西条がツッコミをいれた。
そうなのだ。だいたいその文化祭で彼氏ができたりするのだ。
「撫子先輩の彼氏って結構体力系ですよね〜初めてお会いした時、声の大きさにびっくりしちゃいましたよ」
「亜也だって、毎日大きな声出してるじゃない?」
と、加奈子は言う。
それとこれは違う!亜也は大きな声で反論した
「だとすると、練り直しかしらね」
部長は一人ぶつぶつと語り出し 閃いた!みたいな顔立ちで
私たち3人の前に立ちとんでもないこと言い出したのだ。
その事か今後 大路亜也にとっても 有栖川加奈子にとっても、西条しずくにとっても
大変な学園祭を迎えることをまだ彼女たちは知らない、知る由もなかった。
北上 撫子聖・マリアズ高等学校 演劇部部長 高校3年生
発想は芸術よ!と静かな図書室でも行ってしまうほどの心臓の持ち主。
もちろん一人で図書室には行けなくなってしまった。(うるさいので)実力は有り各方面から卒業後に来ないかと言われているが本人はそのまま附属の大学への進学を決めている。
身長は西条とさほど変わらない。
丸眼鏡をしている。
1年生の時今の彼氏と 聖・蒼葉祭で出会った。
出会った当初と現在もあまり2人のピュアさは変わってなく 見ているこっちが照れると
熟年夫婦になりかけてる加奈子が言っていた。
阿川 達郎蒼葉男子高等学校3年生 空手部所属 部長
彼女の事になると 硬派な姿勢が一気に弱くなる。
出会った頃から彼女があまり変わらないのでドキドキしっぱなし、心臓が持たない。心を落ち着かせるためにいきなり叫ぶことがある。ここは彼女と似ているだろう。
桜姫 由紀とは従兄弟。
登場人物紹介に至っては登場するたびに後ろの方に書き込みます。