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黄昏の日常  作者: 灯些季
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81.心配してる

SIDE浩二

まさか柾美と本気で戦うなんてな。


理事長に特訓してもらってなかったら俺はもっと早くくたばってたかもしれねぇ。

やっぱり柾美はすげえ。


正直、情けねぇが座り込んだまま動けねぇ。


それにしても、

あいつから俺に二度も抱きついてくるとかなんなんだ!

理性保てるのか?


「浩二君、いきなりですまなかったね。」

「いや、柾美との力の差を知るいい機会だ。」


道場に残された俺と親父さん。

ついじっくりと見てしまう。

柾美は母親似かもな。


「柾美はどうですか?学校で楽しく過ごせてるかな?」


柾美の心配してるのか。

俺の親と大違いだな。


「ああ。いつも楽しそうだな。」

「あの子はこの家を継ぐことで色々と負担になってしまってる。そのせいか今まで友達を作る事ができなかったから、君に会う事が出来て良かった。」

「あいつを支えてるのは俺だけじゃねぇ。だけど……柾美は家の事を隠し通すつもりだった。」


親父さんの顔が曇ったな。


「けど、自分の事を話しても変わらずに接してくれる奴らはいる。そいつらも柾美の事支えてるんだ。」

「そうですか。あの子は良い友達に会えたんだな。これからも柾美の事よろしくお願いします。」

「なっっ頭上げてくれ!俺は柾美と一緒にいるのが楽しいだけなんだっ!」


大人に頭下げられるなんてっ!

本当にいい親父さんだ。



俺はまだ動けねぇからそのまま学園での柾美の事を話した。


暫くして動ける気がしたから立ち上がると

親父さんが驚いた顔をした。

どうも体力の回復はもう少しかかると思ってたらしい。


親父さんに会釈して道場を出る。


とりあえず着替えるか。


廊下を進んで行くと向こうから柾美が歩いて来た。


袴姿似合うよな。

可愛い。


「それで練習するのか?」

「ああ、道場に先生が来るんだ。あっシャワー浴びてこいよ。案内するから。」


回れ右をした背中を追いかける。


「まて、着替え取ってきていいか?」

「うん。」


客室に寄ってもらって着替えを持って廊下に出る。


柾美は歩き出したけど何故か俺の腕を掴んでる。


やっぱり甘え強くなってるだろ。

俺としてはありがてぇから遠慮なく引っ付かせてもらうか。


「ここだよ。じゃあ俺特訓してくるよ。悪いけど適当にくつろいでて。」

「その特訓見学してもいいか?」

「えっっいいけどつまらないよ?」

「別にいい。どうせやることねぇし。」


つまらないわけねぇだろ。

柾美の戦いはいつも舞うようにキレイだ。

本当に踊るとなれば期待せずにいられねぇ。



いや、そうじゃない。

どんな姿の柾美でも目に焼き付けてぇんだ。


SIDE浩二おわり。

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