74.お誘い
やっぱりというか、向かう方向間違ってない?
「成次ってバカ?」
「なっっ……ああ、そうかもな。このままでいいわけないよな。」
「最近普通に話せてるじゃん。仲直りしろよ」
「でも月村に嫌われてるんだぞ?」
「だからっっ本当に嫌ってるなら誰と付き合おうと何してようと無視するだろ?
正樹だってそれなりに気にしてるんだよっ」
正樹が気にしてるって言葉効いたかな?大人しくなったな。
「そういえば何言いに来たんだ?」
「夏休みの7月末から8月の中頃までハワイに行かないか?実家が新しいホテル作ったんだ。」
ハワイ?
「保と光先輩も行くけど柾美もどうだ?その、月村と。」
時期的に家の行事と重なるなぁ。ハワイは魅力的だけど。
それに俺パスポート持ってないし。
「行きたいけど7月末は浩二連れて実家に帰らなきゃならないんだ。ごめん。」
「もしかして月村もか?」
「正樹は違うよ。あ、正樹だけ誘えば?」
「むっ無理!どうすればいいかわからないっっ」
「お前って……」
本命にはこれってどうなんだ!?
俺にはさんざん抱きついてきたくせに!
けど……正樹も実家にっていうの悪くないな。
いやいやっ今は成次と正樹の距離を近づけるのが先だ。
「よしっ部屋に戻って正樹に聞こう!」
「えっ心の準備がっ!」
成次がグダグダ言ってるのは無視しよう!
「というわけなんだけど正樹ちゃん来ない?」
俺達が部屋に戻ると保が既に正樹を勧誘してる。
ちなみに俺と浩二は行けない事まで説明してくれたらしい。
「なんでコイツが……」
成次、頑張れ。
「でも………」
正樹はチラッと成次を見る。
「あいつの事は気にするなっ僕と光がイジメないように見張ってるっ!ねっっ行こうよハワイッバカンス!」
イマイチ嘘臭い気がするのは俺だけか?
「月村、つっかかったりしないから一緒に来てくれないか?」
よし!頑張れ!
正樹もせっかくのチャンス逃すな!
「そんなの……そ、そこまで言うなら行ってやるよっ」
素直になればいいのに。
「やったぁ正樹ちゃん大好きぃ〜〜っ」
「うわっっ」
「何やってんだ!!」
正樹を抱きしめた保を成次が殴った!
凄くイイ音して保が座り込んでるけど大丈夫か?
半端なとこで終わってしまったので珍しく2日つづけて更新してみました。
次回は少し間を置いての更新になりそうです。




