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黄昏の日常  作者: 灯些季
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69.仮眠室で

「柾美、いいかな?」

「はい。」


浩二の方は気になるけどまずは総一先輩に謝らなきゃ。


先輩の後について仮眠室に入る。


戸を閉めると隣の声が聞こえなくなった。


やっぱり怒られるかな?

仕方ないか、事情がどうであれ騙してたもんな。


「君はずっと家の事を隠す為に俺に嘘をついてきたのか?」

「はい。先輩を巻き込みたくなかったので。今まですみません。」

「取り引き相手だから浩二と付き合ってるわけじゃないのか?」

「違いますっ本当に偶然ですっ!」


あれ、付き合ってるっていうのはそういう意味の付き合いってこと?


「あのーー浩二とは本当に相棒っていうだけで深い関係じゃないです。

色々と誤解させてしまってるけど恋人とかじゃないですよ。」

「本当に!?」

「はいっもちろっうわっっ」


俺は引っ張られてバランスを崩したけど総一先輩に抱き止められたらしい。

っていうか


「総一先輩っ!?」

「良かった!本当に良かった!!」


抱きしめるほど嬉しいの!?なぜ?


あ、けど誤解解けたって事だから良いことか。

じゃあ良かった!


「総一先輩、俺も誤解解けて嬉しいです。」


こういう場合って抱きしめ返すべき?


なんて考えてたら総一先輩の声が降ってきた。


「柾美、好きだ。」


……………はい?


空耳?

なんて思って体を離して総一先輩の顔を見たけど

真剣だ。


好きというのは、

その、その意味……


「えっええっっ!じょっじょじょっ冗談っっ………ですよね?」

「冗談なものかっ!初めて会った時から好きなんだ。」



まて、総一先輩が?

誰もが憧れて、格好良くて、頭が良くて、非のうちどころがない総一先輩がだと!?

俺なんかを!?


それじゃあ浩二が最初に言ってきた事は嘘とか思い込みじゃなくてっっ


「俺は先輩に嘘ついたり怒らせたりしたんですよ?」

「それは俺を巻き込まない為だったんだろう?そうだと解れば嫌いになれるわけないじゃないか」


そんな事言われたら……


「そっそのっっ男同士だしっ」

「知ってる」


そうだここはそういう所じゃないか。


俺男はもちろん、女の子と付き合った事もないのに。

それ以前に怖がられてたじゃん。

それなのに……


どう言葉を返せばいい?


別に総一先輩が嫌ってわけじゃないんだ。

けど……俺が先輩に対しての好きと先輩の好きは違うものだと思うし。



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