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黄昏の日常  作者: 灯些季
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66.冷静になる

まだSIDE総一。

時刻は夕方の6時になっていた。


もう一般生徒は校舎から出る時間か。

俺達生徒会はやる事がまだある為、全員残る事にした。


テスト期間中に手をつけてなかった書類の作成や各部の実績のまとめ等やることは山積みだ。

夏休みに生徒会メンバーが出掛けてしまう前に片付けてしまいたい。


瑞樹と祐喜は海外へ、

宰は剣道部の合宿へ、本人曰わく剣道部員らしいけど、武田君について行きたいだけだろうな。

そして俺は実家へ。


学園に全く居ないわけではないけど、ほぼ家業のやりくりで過ごす事になりそうだ。


だから、束縛されていない浩二が少し羨ましい。


別に家業が嫌というわけではないけど……


気分を変えよう。


珈琲を入れて一息をつく。


浩二は………柾美の家で過ごすのか。

羨ましく……ない!

あぁ……また気分が沈んできた。


しかし、柾美の実家は何だろう?

数多い取り引き相手のうちの1人を父がすんなり言うこときくなんて……

それほど大事な相手か?

そんな相手を俺をすっ飛ばして浩二にだと!?


ああーーーっダメだ!!

全然気分切り替えられないじゃないか!


「なあ宰、さっきから会長頭抱えて不審な動きしてない?具合悪いんじゃないか?」

「あ、アレは脳内で悪魔呼び出す儀式してるから話しかけるなよ。」


誰が何を呼び出してるんだ!

さり気なくアレ呼ばわりはないだろっ!


「2人とも総一は考え事で苦しんでるのですからそっとしておいてあげて下さい。」


さすが瑞樹っ。なんだかんだ言ってもわかってくれるんだな。


「特に祐喜は見ちゃダメですよ。うつったら大変ですからねーー。」


訂正!

俺は病原菌か!


ついため息が出てしまう。


「少し頭冷やしてくるよ。」


俺は1人で廊下に出る。


この静まり返った校舎を歩けば冷静になれるだろう。


理事長からは6時以降は寮に帰る時以外は生徒会室から出ないように言われてるし、

幽霊が出たと報告もあるけど、

この間教室に忘れ物を取りに行ったときは何もなかった。

だから大丈夫だろう。

実際に遅い時間に帰ったときだって俺達は何も見てないんだ。


特に行き場所は決めてないけど、ひたすら階段を登る。


真剣に考えようか。

柾美の家は「かわせみ」と言ってたな。


ひすいという字を書く?


昔……聞いたことあるような?


敵に回してはいけない………

ああ、父がそう言ってたじゃないか。

いつ?


気がついたら4階まで来たか。


廊下を進もうと踏み出した俺の喉元に

鋭く光る刃が突きつけられた。


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