55.説明
リビングに戻ると、正樹と成次が保と雑談しているらしい。
調理終わったのか。
「あ、じゃあ俺たち戻るからな。」
「柾美ちゃん頑張ってね〜〜」
「何をだよ?」
成次、その辺はツッコミ入れないで欲しかった。
「何って成次の作ったポテトサラダに変な物入ってないかだよ〜」
「さっき食べたくせにあるわけないだろっ」
賑やかな2名が出ていったおかげでヤケに静かに感じるな。
「2人とも座って、食べようよっ」
「ああ」
「あのさっ食べたら話しがあるんだっっ」
落ち着け俺。
「う、うん。」
浩二に肩に力入れすぎって言われたよ。
「正樹、話しだけどさ……」
俺と浩二はテーブルを挟んで正樹と向かいあっている。
「俺、隠してる事があるんだ……」
「うん」
真剣な顔を向けてくれてる。
この顔が恐怖に変わったら……
でもっこのままずっと隠したままは嫌だ。
「俺たち夜の校舎に入ってるんだ。」
「え?」
「話し飛ばすな。」
「あ、ごめん。あのさ、俺先月にここに来たじゃん?実はワケがあるんだ。」
陰陽の家系で修行に来てること、
叔父さんが理事長ってこと、
ついでに夕方の6時以降に校舎に入ってはいけない理由、
浩二に協力してもらってること、
全部話せてた。
「……というワケなんだけど、正樹?」
怖いくらい反応がない?
話しが長くて寝てしまってるとか、
ドストライクに中二病過ぎてドン引きだったらどうしよう。
「おい、聞いてたか?」
浩二の呼びかけに頷いたってことは聞いてたんだな。
「え、えぇ―…と……」
やっと言葉が口から出せた返事かな。
そうだよな………
現実として有り得ない話しだもんな。
それに、正樹は霊感なさそうだし。
俺は椅子から立ち上がって後ろに下がる。
これを見れば作り話しじゃないって信じて貰えるだろ。
「柾美」
浩二が鋭い目を向けてきた。
やっぱりなにやろうとしてるかわかるよな?
身体の前に光の束を出して形を作っていく。
「にっ日本刀っっ!?」
「そう。これが俺の武器で体内に常にあるんだ。自分の意志で出したり消したり出来る。
これで信じてもらえたかな?」
「う……うん」
戸惑ってるな。
やっぱり怖い……よな。
俺が刀をしまっても正樹は驚いた顔で俺を見たまま動かない。
「あのさっっ俺今日は浩二のとこ泊まるからっ!じゃっ明日なっ!」
浩二をほぼ強制的に立たせて部屋から出る。
ドアを閉める音がやけに大きく聞こえた気がする。
「いいのか?」
「うん。驚かせたし、きっと怖がらせたんだ。一緒にいない方がいいかなぁって。ごめんな、いきなり。」
「別にいい。」




