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黄昏の日常  作者: 灯些季
55/89

54.ぶちまけ

そんなときチャイムが鳴り響いた。


立ち上がるときって足痛いなぁ…なんて思いなから玄関を開ける。


「やっぱり。お疲れ様」

「ああ」


ドアを閉める音と同時に俺の身体が包まれる。


「なんで抱きつくんだよっ」


あの2人やっぱり!とか後ろで言わない!


もがいてみたけど放す気ないな。

文句は言うぞ!


「なんで俺に素っ気ないんだよっ正樹の連絡には答えたくせに」


身長の問題で上目使いになってしまうのは仕方ない。

ってなんで赤くなる?


「誘ってるのか?可愛い…」

「可愛い言うなぁぁぁっっ」


頭にきたから頭突きを顎に食らわせてやった。

呻き声をあげながらやっと放した。


「うわぁ〜…浩二ちゃん痛そぉ……」

「やり過ぎじゃない?」

「あの上原が……」


顎さすりながら睨んできたけど怖くないし。



「相棒の俺に冷たいなんてひどいじゃん。それとも、俺は用済みか?」

「は?用済みって何だ」


あ、正樹たちが好奇心で目輝かせてる。


「あのさ、少し浩二と2人だけで話してくる。」


浩二を促して俺の部屋に入る。

出入り口のドアは浩二が閉めて完璧に2人だけになった。


「だって浩二はその、総一先輩をガッカリさせたくて俺に近づいたじゃん?」

「ああ、そうだな。」

「それで、それはこの間達成出来たじゃん」

「まさかそれで俺が柾美の近くにいる理由がないとか言ってるのか。」

「そうじゃないのか?」


ため息つくなよ。

つきたいのはこっちだ。

お前の事で悩んだり落ち込んだり、

………あれ?

なんで俺が?


浩二も浩二だ!なんで黙ってるんだよ!


「それにっ修行ってどんな事やってるとか教えてくれないじゃん!

メール送ってもたいして返事ないし電話出ないしっ

教室にだってあまり来ないじゃないかっっ!

来ても俺の事なんかどうでも良さそうだしなんなんだよっっ!」


ぶちまけしまった。

あれ、これじゃあ俺が浩二の事………


「柾美、そんなに俺を「違うっ違うからっ!変な風に考えるなっ!!」


なんでこんなに必死になってるんだっっ



「とりあえず座れ、足辛いだろ?」


浩二に言われて足が痛いって事に気付く。


なんでそんなに落ち着いてるんだよ?

俺ひとりで叫んでばっかでバカみたいじゃん。


とはいえやっぱり疲れるから座ろう。

そして落ち着こうか。


椅子に座った俺の頭を浩二が撫でてきた。


あれ、子供扱いされてる?


「柾美を避けてたのは悪かった。お前と話したり顔まともに見たら決意が揺らぎそうな気がしてたんだ。」

「え?」

「柾美は陰陽活動に関しては俺よりずっと経験あるし、強い。

だからまた足引っ張ったりしたくねぇんだ。

一緒にいるともっと一緒に居たくなるから、修行どころじゃなくなりそうな気がしたんだ。」


言い終わる頃俺を優しく抱きしめてきた。


俺だって浩二と一緒にいるのは楽しい、

それは浩二の邪魔になるのか?


ていうかなぜ抱きしめる?

うー……む甘えたい心境か?叔父さんの修行厳しいせいとか?


「別にそんなに怒ってないから。それよりも俺、正樹に今日俺の事話そうと思うんだ。

受け入れてもらえる自信ないけど、もう嘘つきたくないんだ。

今度はちゃんと話すから一緒に居てくれないか?」


浩二が驚いた顔で見てきた。


この間結局出来なかったから今回だって…

なんて思われた?


「今まで家系の事で怖がられてきたからまたって思うと怖い、

でも浩二も保と秋月先輩も受け入れてくれたから思い切ってみようかと思うんだ。」

「………そうか。ちゃんと伝えきれるまで居てやる。」


さすが相棒。


「すげぇ心強い。ありがとう。」


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