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黄昏の日常  作者: 灯些季
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40.取材

放課後、俺は新聞部の部室まで正樹に案内してもらってる。


新聞部は校舎から少し離れた部活棟にあるんだ。


「スゴいね!転校して来て1ヶ月位なのにもう特集組まれるなんて!」

「なんかさぁ…有名になって行く方向に向かってない?」

「仕方ないよ。6月からの転校生なんて柾美だけだし、

あの武田先輩と良い試合したでしょ?

それに主席なんだから」


そうなんだよなぁ。

こう聞かされると自分で注目されに行ってる気がしてきた。


こんな事になるならあのダッサイ変装をしてくるべきだったか……

いや、今さら何を。


目立っていようが今の状況は嫌いじゃないんだ。


「後で上原君、あっ浩二君でいいんだっけ、迎えに来てくれるでしょ?」

「ああ、畑の作業手伝うからな。」

「部活掛け持ちしてるみたいだね。」

「は、ははっそうなるかもなぁ〜」


確かに畑作業手伝う事もあるけど、本当は陰陽活動なんだ。


でも正樹には言えないよな……


「ここだよ。じゃあ今日も遅くなりそうだよね?夕ご飯用意しておくよ」

「ああ。いつもありがとうな。」



これからどんな事聞かれるのかな?

やっぱり差し障りなくプロフィール的なもの?


「失礼します。」

「柾美ちゃんいらっしゃ〜いっ」


さっそく神宮寺が出迎えてくれた。



神宮寺は一言で言えばチャラい感じだ。


制服は着崩してるし、左目が隠れそうな前髪に肩まで伸ばした髪はハニーブラウンっていうのかな?

ちょっと目立つかも。

さすがは浩二の同室者っていうべき?


「あれ、部員て神宮寺だけ?」

「まさかぁ。他の人は別の取材行ってるよ。」

「へ〜大変なんだな」

「それよりっ!」


なんだっ?

人を指差すのは良くないぞ?


「神宮寺なんてかたいかた〜いっ保って呼んでよ〜っっ」

「わかった。じゃあ保って呼ぶよ。」

「サンキューじゃ、そこに座ってくれる?」


机を挟んで保と向き合う形で座ると、

テーブルにICレコーダーが置かれる。


「編集に使うから録音させてね〜」

「ああ」


返事をするとすぐに録音ボタンが押される。



質問内容は特に差し障りのないことばかりだ。

プロフィールとか好きなもの、

それからこのあいだの試合の為か剣道はいつからやっているかとか。


「はいっしゅーりょ〜。お疲れちゃ〜ん。」

「お疲れ様。」


保は質問中書いていたノートを確認していく。


「じゃあ、写真何枚か撮らせてくれる?イイの1、2枚使わせてもらうよ。」


こっちに来いとばかりに手招きされて隣の部屋へ行く。


真っ白な壁に撮影で使うようなライトがあるだけだ。


「もしかしてここは撮影用の部屋?」

「そーそー。なぁ〜んにもない方が綺麗に撮れるでしょ?」


保に指示されて白い壁を背にして立つ。


「気楽にしていいよ〜。ちょっと笑ってくれる?そうそうっいいね!」


何度かシャッターを切られる。


それからデジカメをチェックしていく。


「よしっいい顔撮れたよ〜」

「本当?じゃあ終わりでいい?」

「そうだなぁ……いいかな。ねぇ、柾美ちゃんてこの学校来てモテてるでしょ?」

「へ?そんな事ないけど?」


それって告白されたり好意を向けられるって事だろ?

そんな事ないし、クラスの奴らが可愛いっていうのはからかってるだけだし。


「ああそうか、浩二ちゃんが側にいるからムリかな?イイ番犬だもんな」

「番犬て…まぁ犬に例えると噛みつきそうかもなぁ〜」


保は俺をじーっと見つめてくる。

そして妖しく笑う。


「ねぇ、なんで浩二ちゃんのこと相棒って言ってるの?」

「それは……友達だけどそうじゃなくて…」

「つまり友達よりも深い関係!」

「深いか…あっ恋人じゃないからなっ」


また総一先輩みたいに誤解されるのはゴメンだ!


「本当に付き合ってないの?」

「ないってば!」


同性愛は否定するつもりはないけどさ、

自分がその対象になるなんて考えられない。


て、保?

なんか顔近くない?


ただならない気迫を感じてゆっくり後ずさる。


うわ、壁に追い詰められた。


顎を掴まれて強制的に見つめさせられる。


「なっなんだよっ」

「これはほっとけないよねぇ〜。ちょっとぐらいつまみ食いしてもいいか。」

「はなせっ」


悪ふざけし過ぎだ!


殴ろうとしたら両手首を掴まれて壁に押し付けられる。


保との距離が縮んでく。


くっそ!後で覚えてろ!


キツく目をつぶって早く解放される事を祈るしかない!!


あれ?保の手が離れた?


そーっと目を開けると保の首を腕で引きずり寄せてる浩二がいる!?


「このまま息の根止められてぇか?」

「浩二っっ殺人はダメだっっ俺なら大丈夫だっ」

「本当に何もされてねぇか?」

「ないっっ!」


こいつ目がマジだ!


保は解放されると浩二を睨む。


「冗談に決まってるじゃ~んっ柾美ちゃんがあんまりにも可愛いからからかっただけじゃん。」

「だいたいてめぇには彼氏いるじゃねぇかっ!今度柾美に手ぇ出そうとしたらぶっ殺す!」

「お~こわいねぇ~。じゃっ新聞出来たら一部柾美ちゃんにあげるね~協力ありがとう~」


俺は浩二に引きずられるように新聞部の部室を出ていく。


保ってあんな事されたのに逞しいよなぁ。

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