38.勘違い
さっきのバッチリ見られた!
恥ずかし過ぎだろっ!
やば…顔が熱くなってきたっっ
「うわぁぁぁぁぁっっ」
ダメだ!
ここに居られない!
食堂を勢いよく飛び出してく。
呼ばれた気がするけど立ち止まれないっ!
「待ってっ」
肩を掴まれて強制的に止まらされてしまった!
って…総一先輩っ!?
うわっまた恥ずかしくなってきたっっ!
逃げたいけど俺の体に両腕が絡みついて先輩の息が顔にかかる。
ちょっっ何この羞恥プレイのコンボ!?
叔父さんの罠か!
どこかで隠し撮りしてるだろっっ!
「柾美、逃げないで」
「あ、あのっ逃げないから離して下さいっっ」
生徒会長の総一先輩に抱きしめられてるなんて
親衛隊の人に見られたら袋叩きだよな?
っていうか本気で恥ずかしい!
「嫌だ」
「そのっ凄く恥ずかしいです…」
先輩がため息をつくのが伝わってくる。
あ、解放された。
だから俺は先輩と向き合う。
「浩二とずいぶん仲がいいね。」
「さっきのは賭で俺が負けたからあんな事やったけどっ普段はあんな事しませんっっ」
「賭?なんの?」
「それは……」
いくらなんでも本当の事は言えないな。
「スーパーの卵の値段ですっっ」
ちょっと苦しいかな?
あいつあそこにいかないらしいし。
「嘘だね。浩二が自炊するとは思えない」
「さ、さすが先輩ですね…」
うわ……気まずい。
先輩の目がもっと鋭くなった気がする。
「そんなに俺には本当の事言えない?」
「あのっ……」
どうしよう。
本当の事言えば生徒会長の先輩なら来てしまうかも。
先輩を守りながらなんて出来る自信ない。
「君はいつだってそうだね。」
「え?」
「浩二には頼るくせに俺とは関わりたくないみたいだ。」
「それはっ浩二の方が近くにいるからです。その、同じクラスだし。」
「それだけじゃないだろ?」
どういう意味?
「浩二と付き合ってるんじゃないか?」
「なっっバカな事言わないで下さいっっ!」
なんでそうなるんだ!?
「だったらなぜいつもあいつに頼る!?俺から逃げようとしてばかりいるんだっっ!」
「いっ…放して下さいっっ」
先輩に掴まれた両肩が痛いっっ!
でも、なんでそんな泣きそうな顔してるんだ…?
「あーーっいたいたっ!せーとかいちょーっ!」
いきなり脳天気な声が響いきて
先輩は気まずそうに俺を放してくれた。
一見チャラい感じの生徒が笑顔で近づい来る。
「光先輩が探してましたよ〜」
「光が?ありがとう。」
先輩はチラッと俺をみたけど行ってしまった。
あ、誤解とけてないんじゃないか?
「君大丈夫?大変そうだったけど?」
「たいした事じゃないよ。ありがとう、じゃあ」
「まって僕、神宮寺保だけど君を探してたんだ。」
「俺を?」
「田島柾美君だよね?」
「そうだけど」
俺の知名度上がってるなぁ……
あ、神宮寺も一年だ。




