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黄昏の日常  作者: 灯些季
28/89

28.武器

「あ、ああ。いやまて!それ以外にも問題あるだろっ!」

「確かに石を飲むということはそれなりに覚悟はある。しかし君は一族の者ではないから持っているだけでいい。そうすれば柾美みたいに自分だけの力を体内から出し入れが出来る。」

「つまり田島はこれ飲んだんだな。」

「うん。粉々にしてだけどね。一度飲むと体から出ないんだ。」


俺たち一族は陰陽師になるって選択したときからこれを飲む。


そうする事で人間離れした能力が一つ身につけられる。


叔父さんなら強力な結界を。

俺は武器となる刀を。


もちろんリスクはある。

いくら頼りになるって言ってもこれは『魔』。


そっち系統のモノが見えるのはもちろん、

力が弱ければそういうのに狙われる。


「俺が言いてぇのは人体的に支障ないかってことだけど」

「問題ないよ。俺元気じゃん。」

「本気で怒ると角とか生えたりしないか?」

「俺をどういう方向に持って行きたいんだよ!あるわけないだろ!」


人のこと舐めまわすようにみるな!

何も生えてないだろっ!


あ、今度は魔石見てる。


エメラルドグリーン色の石をじっくりと見つめたあと、叔父さんに渡された小袋に入れ、ズボンのポケットにしまう。


「たしか武器をイメージして出すんだったな」

「君は柾美の真似して刀を出さなくていい。君に合った物を出すんだ。」


上原は胸に手を当てて目を閉じる。


何出すのかな〜?


あっ両手が光を纏いだした!

これって…



「なるほど。上原らしいかも。」


両手にはボクシングで使うようなグローブ。


「これ普通のグローブより威力あるのか?」

「もちろん。魔石を土台にして作ったものはかなり丈夫だよ。」


上原が目輝かせてる!

新しいオモチャ見つけた子供みたいだな〜。


「ところで上原君は生徒会長の上原総一君の弟だよな?」

「あ゛?」


叔父さん空気読め!!

上原がいっきに魔物レベルのオーラ纏ったよ!


「柾美は生徒会長の事名前で呼んでるのに、弟君の方は名前呼ばないんだな?」

「は?」


うわっっ上原の鋭い目線が叔父さんから俺に変わった!


「てめぇ…あいつと仲良くしてんじゃねぇ」

「誤解!叔父さんそんな情報どこから!?」

「ふふふ、理事長だから全てお見通しさ。」


ニヤリと凶悪な笑顔返しやがった!

絶対に俺と総一先輩で色々妄想してる!


「じゃあ相棒だし、これから名前で呼ぶよ。浩二君?」

「君付けすんな気持ち悪りぃ。」


叔父さんが更にニヤニヤしてるけどあれは見なかった事にしよう。


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