表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄昏の日常  作者: 灯些季
26/89

26.呼び出し

「田島、1時間目には間に合ったか?」

「おかげさまで」


こいつはバカみたいな噂は知ってるのか?


上原と言葉を交わしただけなのにクラスメイトから注目凄いな。


何かいうべきか…


なんて考えてるうちに2時間目を知らせるチャイムが鳴り響いてきた。


高森先生が来たってことは数学だっけ。


全員が着席したのを確認した直後高森先生が俺と上原を見る。


「田島と上原は俺の授業あと理事長室に行け。次の授業の担当には休む事俺から伝えておく」


長話しになる事確定ですか。

まぁ、昨日の事なら仕方ないかもな。


「てめぇら廊下の穴とブロンズ壊れたのそいつらのせいだと思ってるらしいけど違うぜ?風紀委員が見回った夕方にはなかったからな。夜中に校舎に入れるわけないだろ。」


すみません。俺たち忍びこんでました。

もちろん壊す気なかったけど!


「つまりオバケの仕業だ。あまり変な事言ってるとオバケに悪戯されるぞ。気ぃつけろ。」


説得力イマイチないですよー!

でも疑いが少しでも晴れるならいいか。


上原は……呆れた顔してるな。

気持ちは解るけど今はありがたいって思っておけば?



休み時間になると面倒くさそうな様子の上原を促して廊下に出る。


あの噂どれだけ広がってるんだよ。

すれ違うほとんどの人が俺たちみて何かヒソヒソ言ってるじゃん。


「くっくっあっという間に有名人だな」

「うるさいっ俺は地味で目立たない高校生活送りたいよ!」


楽しそうに言ってる上原がムカつく。


「ムリだ。ついでにもっと話題になりそうだぜ」


上原が笑いながら見た先には、総一先輩。


「柾美、浩二になにかされた?噂が全部本当とは思えないけど問題はあったみたいだね。」

「兄貴、俺たち理事長室に用事あるから邪魔すんな。」


なぜ俺の腰を引き寄せる!?


腰に添えられた手を力一杯つねる。


「いっっ」


上原から離れよう!


「先輩っこいつが俺に変な事してもそういう仲じゃないです!あとっ流れてる噂は全部嘘です!」

「あ、ああ」


勢い良すぎたかな?


「失礼します!!」


早足でその場を去る。

その後ろを上原がついて来る。


「おいっ」

「何?俺は晒し者みたいな目で見られるのはゴメンだ!とっとと行こう!!」

「田島って実は小心者?」

「うるさいっ」


ツンデレとか言ってるけど無視しよう!



SIDE 総一


今朝、寮内に良くない噂が流れていることを知った。


また浩二か……

いつもの事だから気にするまでもないだろう。

あいつは上原一族のはみ出し者だ。


何かと俺につっかかってくるけど相手にするなんて時間のムダ。


なんて考えは次々と入ってくる噂のおかげで消された。


なんで柾美まで?


浩二に柾美が追いかけられてる姿は数人の生徒が目撃してるらしい。


何があった?

せめて自分が目にしてれば止めることが出来たのに!


昨日の食堂のときだって柾美は戸惑ってるみたいだったのに俺は何もできなかった。


さっき廊下でみかけたときは2人の親密さが増したように見えて胸が痛くなった。


そんな俺の気持ちを知ってかはわからないけど、柾美は必死で浩二との事を否定してきた。


君を信じたい。

浩二が勝手に巻き込んでいるだけだと。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ