15.口喧嘩
SIDE正樹
カニクリームコロッケ定食を手に僕は機嫌が良かった。
この定食って売り切れちゃう事多いんだよね。
「正樹、柾美の分は俺持っていくから先に戻ってな。」
「うん、柾美ひとりにしておかない方がいいよね。」
柾美は良い人だけどここの怖さっていうか、自分がどう見られてるか自覚ないもんね。
それに、あいつに目つけられたら厄介だし。
なんて考えてたら
なんであいつが柾美抱きしめてるの!?
「離しなよ!!」
急いで駆け寄ったからあいつの事フォークで叩いてた。
あ、もちろん柄の方でだよ。
痛がってたけど自業自得だよ!
「また君か」
「それはこっちのセリフ!僕の周りうろちょろするなっ!」
「隣のクラスだし無理。それに君の近くに俺のタイプが多いだけなんだけど?それとも君、実は俺の事狙ってる?」
「はぁ?バッカじゃない!?氷室みたいな下半身だらしない奴大ッ嫌いだよ!」
あーーいっきに険悪なムードだよ。
柾美困ってる。
来たばかりなのに嫌な思いさせてごめん。
「よかった。俺君みたいな性格可愛くない子好きじゃないだよな。」
「あんたなんかに好かれたくないから嬉しいよっっ」
なんでコイツと顔合わせると喧嘩しか出来ないんだろう。
「2人とも落ち着けって」
誠の声に我にかえる。
氷室と正樹の喧嘩に体動かせなかった。
「じゃあ柾美またなっ」
氷室の背中を正樹はまだ睨んだまま。
仲悪いのか。
「そのクリームコロッケうまそうだなっ」
「そうでしょ?食堂の人気メニューだよ。」
「売り切れるの結構早いんだぜ。」
よかった。
正樹の機嫌戻った。
席に着くと正樹が真剣な顔向けてきた。
「氷室は気を付けて。彼氏とっかえひっかえで手早いからね!」
「へ、へぇ~たしかにカッコいいからモテそうだな。俺は興味ないけど。」
「本当に!?」
正樹目がこわいぞ。
「ただの友達ならいいけどそれ以上はなぁ。」
「そういう事だ正樹、あまり心配すんなよ。」
「う、うん」
俺たちが落ち着いた頃に生徒たちが騒ぎだした。
何だよ今度は。
いやもう何だっていい。お腹空いたから食べよう!
生徒たちの黄色い声をBGMに俺たちは目の前の食事に集中しだした。




