12.教室
俺の口からため息が出た
と、とりあえず職員室入ろうか。
まずは高森先生だよな。
ドアを開けると紫色のスーツに黒いワイシャツに紺のネクタイ!?
の、黒髪のイケメン……
学校だよな?
ホストっぽい人がいるような??
「あ、の、高森先生は「おうっ俺だ」
叔父さん、教師の個性を大切にする方針はキライじゃないけど驚いたぞ。
「田島柾美か?」
「はい」
「そう固くなるな。俺は担任の高森裕隆だ。担当は数学。ここは広いだろ?迷わなかったか?」
「そ、生徒会長に偶然会って案内してもらいました。」
「そうか。」
高森先生の後についてさっそく教室に向かう。
廊下で待ってるように言われた。それにしてもみんな朝から元気だな〜。
「入ってこいっ」
あ、呼ばれた。
自己紹介なんてすぐに終わるんだっ。
緊張なんかするかっ!
勢いよく開けたハズの引き戸の音は全くきこえずに、男共の叫び声にかき消された。
「うぉぉぉぉっっ!」
「かっわいぃぃぃぃぃ−−−−−っっ!」
「好みだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」
これがお金持ちの坊ちゃんの言葉か!?
あとかわいいって言った奴歯ぁ食いしばれ!!
殴る!!
……なんて思っても口に出すのはこらえたよ。
「静かにしろ!あとお前ら、田島に変な事したらどうなるかわかってるよな?」
一気に静かになった!
うわ~~全員の視線が痛いな。
「田島柾美です。家庭の事情で来ました。趣味は読書です。あと、俺にかわいいと言ったら条件反射で殴ります。忘れないで下さい。」
よし、終わり!
「席はあそこだ。」
先生が指差した先は一番後ろの席で窓際とその隣……え?
「どっちですか?」
「窓際じゃない方だ。」
という事はもう一つの空席は遅刻か欠席か。
教壇を降りて席に向かって歩いてると体を軽くつつかれた。
なんだ?
て、正樹じゃん。
笑顔を軽く返す。
なんで教室ザワついた?
正樹苦笑いって……
ああセレブのご子息様たちには庶民の笑顔は毒って事か。
気にしないことにしよう。




