人間の国
人間の国イシュタル国へ足の治療の為にルドは、連れていかれその不思議な生き物の話を聞いていると⋯
ルドが次に目を覚ますと、見たことがない景色とふかふかのベッドの上に横になっていた。コンコン扉を叩く音が響き、起き上がろうとするルドの物音に気づいた、フィオーレが慌てて、ベッドの傍の椅子に腰を下ろした。
「気がついて、よかったわ。一応、怪我は治療師が治療をしたから痛みはないはずだけれど、他に痛む所は無いかしら?」
(レイン兄さんが、知らない生き物と話してはいけないって言ったっけ)
フィオーレが、手に持ってた呼び鈴をチリンと鳴らすと、侍女がワゴンを押して部屋の中に入ってきた。
「お腹空いてないかしら?温かいスープを用意したの」
侍女が、鍋からお皿にスープをよそうと、そのお皿をベッドに座っているルドに手渡したが、スープに一切手を付けないままだった。
「毒なんか入ってないわ」
スプーンでスープをすくうと、口に運ぶ姿を見て、ルドはスプーンも使わずに皿を持ち上げてゴクゴクと飲み干した。
「行儀の悪い⋯」
侍女に下がるようフィオーレが左手を上げた。侍女は、メイド服の裾を掴むと、小さく頭を下げ部屋を後にした。
「侍女が、失礼な態度でごめんなさい。私の名前は、フィオーレ・イシュタル・ラバンって言うの」
その国の名を聞いたルドは、持ってた皿を床に落とすとガシャンとお皿が割れる音が部屋に響いた。
『いいか、ルド絶対あの崖の下、イシュタルへは足を、絶対に踏み入れるな』
険しい顔でルドの肩を掴んだ手が痛かったのをよく覚えていたルドは、全身の毛が逆立っていた。
「王女様!どうかされましたか!」
バタッと部屋の扉を勢いよく開ける兵士たちに、フィオーレが首を振って答えた。
「私が、手を滑らせてお皿を割ってしまいましたの」
「フィオーレ様、お怪我は?」
「大事はないわ」
「お部屋の片付けは、私たちがしますので、フィオーレ様は、お召し物の着替えを」
フィオーレが小さくルドに微笑むと椅子から立ち上がり侍女たちに連れられ部屋の扉が閉まった。別の侍女が掃除用具を手に持って部屋に入ると、ルドを睨みながら嫌味を吐いた。
「素性も分からない、こんな平民に、お嬢様のお手を煩わせるなんて、失礼極まりないわ」
「そうよ!フィオーレ様のお優しさのお陰で、お前は治療を受けれただけの、ただの平民の癖に!」
ルドは、憎まれ口を叩かれたがなんの感情もわかずに黙ったまま座ってるだけの姿に侍女たちが、薄気味悪いと足速に割れたお皿の破片をほうきでかき集め、バケツに破片を入れ片ずけると、扉をバタンと閉めた。
「そろそろレイン兄さん帰ってる頃だろうな⋯」
足の痛みは治療のおかげか落ち着いていたので、ルドは、着ていた、肌触りのいい寝巻きを脱いで、サイドテーブルにおいてあった自分の服に着替えると、麻の袋を肩に持って部屋のバルコニーから下へ飛び降り、森へと向かった。ルドは、落ちてきた崖の上を見上げ数回遠吠えをすると、レイン兄さんの遠吠えが返ってきて、崖の下からローブが降りてくると手で掴んで腰に括り付けたレインがゆっくりと、ルドを引き上げた。
「ルド無事でよかった」
「レイン兄さん、心配かけてごめんなさい」
「無事ならよかったんだ」
ルドの左足に包帯を巻いてるのに気づいたレインの顔色が曇るのだった。
(この森も安全じゃなくなった⋯急がないと)
レインが、考え事をしていると気が抜けたルドの体がドサッと地面に倒れた。
「ルド!」
第6話いかがだったでしょうか?次回のお話も読者の皆様の目に留まりますよう執筆してまいりますので、ブクマ登録、評価などよろしくお願いいたします(*.ˬ.)"




