フィオーレの不思議な涙
フィオーレの目が見えなくなったことに、王様はハルウドを極刑にすると言い、刑を執行しようとした。そんな中、目が覚めたフィオーレが、部屋の扉の外で侍女たちの話を聞いて、極刑を止めようと、フィオーレは走り出したのだった。
「フィオーレお嬢様の目を壊した罪で、ハルウド様が極刑になるんですって」
「シッ!聞かれたら、どうするの!」
バタンっと扉を開けて、廊下にフィオーレの体が倒れ込んだ。侍女たちは慌てて口を閉じて、彼女の体を起こそうとした。
「ハルウド叔父様が、極刑とは本当なの?」
「お嬢様、部屋にお戻りになりましょうね」
「お茶の時間なので、美味しいクッキーと、温かい紅茶を持って参りますわ」
「誤魔化さないで!」
ドンッと侍女の体を押しのけると、目は見えないはずなのに、まるで目が見えているかのように廊下を走る姿に、侍女たちが唖然とフィオーレの後ろ姿を見ていた。
(神様お願いします!ハルウド叔父様を――)
城の中の地下にある、処刑の間の扉のドアを開け放つと、ゴーンゴーンと鐘が鳴り響いた。フィオーレは息を切らして、叫んだ。
「ハルウド叔父様を、極刑にしないで!」
フィオーレは、裸足のまま白い夜着の姿でペタ、ぺタと冷たい石畳の床を手を伸ばしながら、ゆっくりと歩いた。
「ハルウド叔父様、何処ですか?」
手を伸ばしても何も無い空間に、地面に座りしゃがみこんで、冷たい石畳を手で触りながら、ハルウドを探していた。そして何かに触れると、ペタペタと手でハルウドの体に触れると、フィオーレの手には生暖かいものが手についた。
「ハルウド叔父様、これは?」
鉄の錆びた匂いに、フィオーレの顔色が青ざめる。ハルウドが掠れた声で、声を上げた。
「フィオーレ様のお手が汚れてしまいます⋯」
ハルウドの体をくまなく触るフィオーレは、体や顔が腫れていて血が乾いてない姿に気づくと周りの衛兵に声を粗げ叫んだ。
「衛兵!早く、ハルウド叔父様の治療を!」
ハルウドの手には重く冷たい手錠か付いていて、ガシャン、ガシャンと、フィオーレが手錠を壊そうとしたが小さな手では何にもできずに、金属の音が広間に鳴り響いていた。
「王女様、お手をどうか、お離しください!」
衛兵がフィオーレの手を止めようとしたが、首を左右に降り溢れる涙を見て、周りの衛兵たちが顔を見合せて手を下ろした。
「ハルウド叔父様が死ぬなんて、私は絶対に嫌!」
フィオーレは、どうにか出来ないかと、手探りで鍵を探そうとしてると、広間から大きな声が響いた。
「フィオーレ!!」
王様が、足早に駆け寄るとフィオーレの体を抱きあげようとしたが、王様の手を強く払いのけた。
「お父様どうして、ハルウド叔父様が、こんな傷だらけの姿でいるのですか?」
「それはだな、お前の目を⋯」
「私の目が見えなくなったから、極刑なんて酷すぎますわ!私の命を助けてくれた、ハルウド叔父様に、なんて酷な仕打ちを⋯」
「王様に薬を渡した時点で、覚悟はとっくに出来ていました⋯」
「私は、嫌です!命を大事にしないハルウド叔父様も、惨い仕打ちをする、お父様も嫌いです!」
涙が溢れ出るフィオーレの不思議な力に、剣を持っていた騎士たちが、一斉にカランカランと剣を床に落として、衛兵たちが一斉に膝ををついて頭を下げる姿を見た王様も、言葉が出ずにいた。
「私を、どうか嫌いにならないでおくれ。お前が、そう決めたのなら、極刑は辞めにしよう。」
「お父様、本当ですか?」
「ああ、本当だ。衛兵!今すぐハルウドの鎖を解いて、治療室に運べ」
衛兵が、ハルウドの手錠を外す音を聞いて、フィオーレが安堵すると、気が抜けたのか意識が遠のき、目を覚さますとそこは、ベットの上だった。
「ハルウド叔父様?」
「はい⋯私はここに」
フィオーレの手を握るハルウドの手が小さく震えていた。
「お父様の仕打ちを、どうかお許しください⋯」
「フィオーレ様、どうか謝らないでください。私の命、助けていただいたのですから」
ハルウドの瞳から、涙が流れ落ち、フィオーレの手に零れ落ちるとその隣で、小さく咳払いをする王様にフィオーレが、ゆっくりとベットから起き上がるのを王様が止める。
「お父様?」
「フィオーレすまなかった、マリーにも叱られたよ」
「お母様に?」
「ああ、フィオーレは、小さい頃からハルウドのことを、本当の兄のように慕っていたのに、目が見えないと知って⋯」
言葉を詰まらせる、王様の手を握りフィオーレが首を横に振った。
「私の方こそ、酷い言葉を⋯お父様ごめんなさい」
王様がフィオーレの手を握り返すと、フィオーレの体をを優しく抱きしめるのだった。
10月も始まり、なかなか更新が上がらずすみません。体調が日により悪かったりで、編集スピードが遅れお待たせ致しました:( ;´꒳`;)
フィオーレの目が見えなくなったことに、激昂した王様は実の弟であろうと、容赦なく罰を与える所の描写とそれを全力で止めに行くフィオーレの姿を描写として伝わっていたら嬉しいです。次回のお話も、編集次第ですがブックマーク登録まだ、一人もいなく登録して頂けたら、執筆活動の力になりますので応援よろしくお願いします(*.ˬ.)"




