お転婆な王女
人が住む国、イシュタル王国。平穏な日常の中、第一王女が誕生し、穏やかな日々を過ごす中、突然の病に襲われ倒れたフィオーレ。
人が住む国『イシュタル王国』鳥や色鮮やかな花が咲き、平穏が流れる中、王様と、女王様の間に、それはそれは愛らしく、少しお転婆な小さな王女様が、誕生し、5歳の歳になりました。
「お嬢様!何処でございますか?」
「フィオーレ様!フィオーレ様!」
数人の侍女たちが、大きな声で小さな王女様の名前を呼んでいる。後ろでまとめあげた、ブロンドの長い髪が揺れ、淡いピンク色のドレスの裾を掴み、赤い絨毯が敷き詰められた広いお城の廊下を、小さなお姫様が走って行く。廊下の曲がり角で、ドンッと長い足にぶつかると後ろに倒れそうになった。イシュタル王国、第一王女、フィオーレ・イシュタル・ロンドの体を優しく持ち上げ抱き上げた。
「あ!ハルウドおじちゃま!」
「おや?お転婆な、天使が舞い降りてきたような?」
「あのね、あのね、今ね――」
ブラン色の瞳が輝くフィオーレの叔父、ハルウド・イシュタル・ロンドに耳打ちをするフィオーレの言葉に、なるほどと頷き、顔を上げると、白い騎士服のマントを広げるとフィオーレの小さな体を隠した。
「フィオーレお嬢様?」
廊下から走って来る侍女が、ハルウドの姿を見て廊下の端で頭を下げた。
「ハルウド様、フィオーレお嬢様を見ていないでしょうか?」
「はて?可愛い姪を、この私が、見逃すはずはないのだがな」
マントの中を覗くと隠れてるフィオーレが、ハルウドの白い騎士服の服をギュッと掴む姿に、ハルウドが小さく笑みを零した。
「ふむ。あちらの庭の方で、蝶を追いかけてるのでは?」
深々とお辞儀をする侍女に、マントの中に隠れてる可愛いフィオーレにウインクで合図すると、フィオーレが声を出して喜んでいた。
「ハルウドおじちゃま、ありがとう!」
フィオーレの小さな唇が、ハルウドの頬にキスをするとゴホンッと、後ろから咳払いをする執事のセバスが、メガネをクイッと持ち上げた。
「フィオーレ様!また、侍女たちを困らせましたね!それに、ハルウド様!」
────フィオーレが12歳になったある日、原因不明の病にかかり、意識が戻らない日が続くのだった。
「しっかりするんだ!フィオーレ!!」
産まれてから病気一つせずに毎日元気に、城の中で走り回って遊んでいたフィオーレは、ある日突然、原因不明の高熱を出し倒れてから、丸三日。王様と女王様が、フィオーレが眠る寝室で、手を握り名を呼び続けていた。
「侍医は何をしている!我が娘が、こんなにも苦しんでいるんだぞ!早くどうにかするんだ!」
侍医の白衣の首元を掴んで怒鳴る王様に、侍医は力無く答えた。
「王様、この国では皆目見当 もつかない症状にございます。どうか、この無能な私を死罪に────」
今回は、二人の物語となっています。
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※登場する人物、表現全てがフィクションです。