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光と愛を知らない世界で  作者: 猫又 マロ


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19/24

訓練学校

初登校の日、案の定一緒のクラスになったノワールが、ルドに嫌がらせを始める。そんな中、ルドがお昼に誘おうとしたクラスメイトに、ノワールとよく似た性格の女子がルドをお昼に誘うのだった。


決闘が終わった翌日、オッターから木剣の扱い方、素振りの仕方、木剣とは言え怪我のリスクもあると言う説明を聞いたルドは、オッターの剣の型や素振りを早く覚えようと、鍛錬を重ね続け、手のひらの血豆が潰れても、血の滲むような努力をした成果、才が現れた。いつの間にか一年が過ぎ、ルドの身長は20センチも伸び、筋力がついて、風格が出ていた。


「ルド、明日から訓練生として学校に通ってもらう。半年で人間の文字や、生活に必要な知識を覚えろ」


「マレンの通う学校に俺が?」


「お前も、人間の国に視察に出る側だ。密偵、内偵、スパイとして、人間の国で住むこともある。だからその知識を叩き込むためにも、勉強も武器の一つになるんだ」


ルドが自分の部屋に戻ると、日課で続けていた腕立て伏せが、逆立ちで片手の腕だけで、腕立て伏せをしていた。


「明日から学校か」


クローゼット中をルドが開けると、マレンが先に部屋に来ていて、制服を用意してくれた、真新しい制服と、訓練着がハンガーにかけられていた。


「明日から学校か、楽しみだな」


クローゼットを閉めると、ベッドに寝転び天井を見上げながら自分の手を伸ばして、ルドは見ていた。


「レイン兄さん、俺、ちょっとは強くなったかな…」


ルドは、そのまま寝息を立てた。翌朝、ルドが制服を着て食堂で朝ごはんを食べ終わると、マレンが教室まで案内をしてくれた。


「私は隣のクラスだけど、ルドは隣のクラスだから。あ、ノワールと一緒だけど大丈夫?」


「うん。マレンありがとう」


「喧嘩は、しないことね」


「オッターにも言われてるから、気をつけるよ」


ルドがマレンに笑いかけると、マレンは照れくさそうに視線を下げて隣の教室の中に入って行った。ルドが自分の教室の扉に手をかけると、小さく深呼吸をして教室の中に入った。騒がしかった教室の中が静まり、ルドに視線が集まった。


「あれ?王様が、お勉強するんですか?」


席から立ち上がりノワールが、にやにやしながらルドの前に立つと、ルドはノワールを横切って歩こうとした。


「挨拶もなく素通りするのが、王様のご挨拶とは、いいご身分だな」


ノワールが笑うと、数人のクラスメイトからも笑い声が聞こえてルドは小さくため息を漏らした。


「席に着け!ノワール何してんだ!」


担任の先生が教室に入るのが見えて、小さく舌打ちを漏らしながらルドを睨むと、ノワールは自分の席に座った。


「今日から新しい生徒が増える。ルド、自己紹介できるな?」


「初めましてルドです。勉強は初めて学ぶのでよければ、教えてください」


軽くルドが頭を下げ、顔をあげると笑顔を見せた。ルドの大人の雰囲気に魅了された女子たちが、悲鳴をあげたり歓声が教室に響いた。先生が数回手を叩いて、静かにと生徒を注意した。


「よし、ルド。お前の席は」


先生が教室を見渡すと後ろの席に座っている、小さな獣人族の、ミーヤキャットのクレンの席を指をさしてルドを案内した。


「よし、クレンの隣に座れ」


ルドが、先生に頭を下げると席まで歩いてる道中、ノワールがさりげなくルドの足を引っ掛けようとしたが、ルドはあっさりと通過をして面白くないと、ノワールの奥歯がギリっと鳴った。


「よーし。午前の授業は終わりだ!昼からは訓練所に集まるように!解散!」


授業内容を教えてくれたクレンに、ルドがお昼一緒に食べないかと誘った。引っ込み思案のクレンがオドオドとしてると、ノワールの性格によく似た、きつね族シュプリが席に立つと、扇を開いてルドに話しかけた。


「ルド様、進言をお許し遊ばせ」


巻き髪に、鼻につく香水の匂いと、制服もフリフリのリボンであしらわれまるでお嬢様みたいな服装に、ルドは彼女を見つめた。


「このミーヤキャット族は、我々獣人族の中でも、下級生物と言われておりますわ。その者にお声をかけずとも、上位のものとお昼をご一緒になさる方が、ルド様にとって、素敵なお昼になると思いますわ」


横目でクレンを睨むと、小さく固まるクレンを見てルドが席を立ち上がった。


「その、助言は感謝します」


「まあ、ルド様は懸命で聡明な王だと信じておりましたわ。では私たちが、素敵なお昼のご用意を…」


シュプリが言い終わる前にルドが右手を上げて、話を(さえぎ)った。


「俺は俺の意思で物事を決めると決めているんだ。それに、君の香水?の匂い苦手でさ。昼食には、似合わない匂いだしごめんね」


隣で俯いて固まってる、クレンに右手を差し出すと、クレンが少し顔を上げてルドをチラッと見た。ルドが笑顔で手を差し伸べてくれる姿に、クレンがゆっくり手を重ねた。


「じゃあ、お昼の時間すぎちゃうから」


呆気にとられるシュプリに、ノワールがゲラゲラと机を叩いてお腹を押さえてる姿に、握っていた扇をシュプリがへし折る音が響くと、後ろにいた取り巻きたちが生唾を飲んだ。


「私に恥をかかせるなんて。絶対に、許さないわ…」


ギリっと奥歯を噛み締めて、ルドたちの席を睨むとシュプリも教室を後にした。食堂で待ってたマレンに新しい友達と、教室であったことを話すと飲んでたミルクを吹き出しそうになってるマレンに、ルドがポケットからハンカチを取り出しマレンに渡した。


「ルド、もう少し女性の気持ちも考えなさいよ」


「え?なんで?」


「あ、あ、あの…ルド様は…その」


オドオドと小さな声のクレンを見て、ルドなりの守り方なんだろうと察したが、マレンがスプーンをトレーに置くとルドに注意をした。


「女性にはいろいろとあるのよ。それを、ストレートに言われたら、傷つくこともあるでしょ?」


「そうなのか…」


「そうなの。男も女もプライドもあるんだし、ルドが反論した言葉が相手を逆上しかねないって、オッターにも言われたでしょ?」


「あ、そうだった」


ルドは、マレンの顔を見ながらすっかり忘れていた表情に剣の腕は上がっても、他の獣人族のコミニケーション不足に、頭が痛むマレン。


「彼女には、きちんと謝罪をすること。余計なことは言わないこと。分かった?」


「分かった」


ルドの大人びた中にも、まだあどけなさが残る表情は、何度か見てきたマレンの中で、いつしか、ルドに対して片思いをしているとは、まだ知りもしないルドだった。


訓練所の学校編です。何話か続きますが、書きたい物語が多く、編集がなかなか追いついていません(笑)


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