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光と愛を知らない世界で  作者: 猫又 マロ


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獅子の力

ノワールとの決闘の日、騒ぎを聞きつけたオッターが二人に条件付きでの決闘を認めた。ルドの無の呼吸を見たオッターは、王の血を受け継ぎし獅子の風格を見て冷や汗を流す。そんな中、決闘が過激さを増す中勝つのはどちらなのか?


翌朝、オッターが人間の国へと偵察から帰って来ると訓練所がやたら騒がしいことに気づいて、見に行くとルドとノワールが決闘を始めようとしていた。


「これは、どういう状況だ?」


オッターが、訓練所に集まって見ている仲間たちの間を抜けるように、訓練所の中に入ると木刀を持つ二人に事情を聞いた。ルドたちから理由を聞いてため息を漏らした。


「あのなぁ…そんな理由で、決闘を申し込むノワールもノワールだ!それを、鵜呑みにして決闘を受け入れたルドもだぞ!」


オッターに声を荒らげられたが、ルドたちは口々にオッターに反論をした。


「マリンに嫌なことをしたんだ!どっちが、上かこいつを叩きのめさなきゃ気が済まない!」


「俺は、木剣が使えるならなんでもいい」


オッターが手を額に当てて、左右に首を振った。すると背の高い、左目に黒い眼帯をつけた白銀色の髪の長い男がオッターの肩を掴んだ。


「オッター諦めろ!若い奴らは血気盛んって言うだろ!一回、戦わせれば満足するだろ!」


ガハハッと右手に持っていた酒瓶を手に、ぐびぐびとお酒を飲んで、上機嫌に笑う、ジョージにオッターは、また、小さくため息を零すと、ルドたちに声をかけた。


「ノワール木剣は禁止だ。やるなら素手でやれ」


「は?何でだよ!木剣でやるから、決闘だろ!」


「オッター、俺も木剣使いたいです」


「ルド、俺がいつ木剣を握れと指示を出した?」


オッターの低い唸り声に、ルドは仕方なく握った木剣を地面に置いた。


「ルドは、まだ剣の初歩の段階だ。木剣は握らせないと指示を出している。だから、決闘をするなら両者木剣は使うのを禁止する。それが嫌なら、決闘は許可はしない」


「せっかく、木剣使えると思ったのによー」


ノワールがぶつぶつ文句を言うと、オッターの拳がノワールの頭上に命中し、ノワールが頭を手で押さえていた。


「やるのか?やらないのか、どっちだ!」


「拳でも俺は、絶対に負ける気はしないけどな」


ノワールがチラッと、マレンを見て答えたが、ノワールの視線すら気が付かず、ルドを見てることに、苛立ちを隠しきれていなかった。


「ルドはどうする」


「オッターに見せたいものがあるから、やってみたい」


「なら、両者そこに並び直せ。ルド、俺が合図を出すまで絶対に、ノワールには手は出すな。分かったな」


「分かった」


「それでは両者、始め!」


オッターが手を下げると、ルドはその場で微動だにしないまま目を閉じていた。ノワールはその空気感を感じ取っていたが、隙だらけだと瞬足で向かってきた。


(オッターに、言われるまで攻撃はしない。その変わり無の技を使えばいいのか…)


スっと深く息を吸うと、ノワールの拳を避けては、攻撃を交わしていた。それを見ていたジョージが、口笛を鳴すと、オッターに話しかけた。


「あいつ、無の呼吸いつ覚えたんだ?」


「まだ、1ヶ月も立っていない…」


「は?マジかよ!こりゃ、ノワールの負けだな!」


酒瓶の蓋を開けるとガバガバ口に入れて、笑い転げるジョージにオッターですら、額から汗が流れ落ちた。マレンがオッターの服の袖を引っ張ると訳を話した。


「昨日、私に無の呼吸を見せて言うから見せたら、ルド出来てた。理由はよく分かんないけど、紛れもなく王の血筋だわ…」


数週間前までのルドは、何も知らない、何も出来ないただの、泣き虫なルドだったはず。なのにたった数週間で、ここまで変わるとは、オッター自身も思っていなかった。


「くそ!なんで、当たらねーんだ!」


既に息を切らして、焦るノワールとは反対に、風を切るようなルドは息すら上がっていなかった。


「オッターいつまで、このまま逃げてればいいの?」


「すまない。ルド一発だけ、攻撃を許す」


オッターの指示が出ると、ルドがピタッと止まった。ノワールはチャンスだと、ルドの間合いを見て足を踏み込んだ瞬間、ノワールは地面に叩きつけられていた。


「離せ!クソが!!」


「オッターこれでいい?」


「両者そこまで。ルドの勝ちだな」


「俺はまだやれる!止めんなオッター!」


「決闘ルールを忘れたの?」


「うう…マレンまで」


「みっともない男、私嫌いなの」


マレンの一言に、ノワールは気を失うと、獣人族の皆が、凄い、どうやって勝ったのと質問責めのルド。


「オッター、とんでもない弟子を拾ったな。さてと、ノワールは俺が預かるよ」


ジョージが、伸びたノワールの首根っこを掴むとそのまま引きずるように医務室に連れて行った。オッターがルドに声をかけると、頭をワシワシと撫でた。


「ルド、明日から木剣を握らせてやる」


「木剣握っていいの?嘘じゃない?」


「ああ、嘘じゃない。まだ皆と訓練所は使えないがそれでもいいなら、いつもの場所に来い。今日はゆっくり休め」


子供のようにはしゃぐルドを見ながら、オッターが青い空を見あげた。まるでレインに話しかけるように、ルドの成長に口角を上げ、オッターは訓練所を後にするのでした。

ルドの成長期もあと少しで終わります。この後のお話もお楽しみに!ブックマーク登録、評価ポイントなど応援よろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

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