謎のメッセージ
フィオーレの状況をハルウドから聞いた国王は、城の地下の禁書庫へと向かうのだった。
「フィオーレ!大事はないか?」
フィオーレが倒れたと聞いて、隣国に出向いていた国王が急いで城へと戻ると、その足でフィオーレの部屋と向かった。大きなクッションを背もたれにしベッドに座って、国王を迎えるフィオーレの体を抱きしめた。
「お父様、私はこの通り大丈夫ですわ。侍医からも数日安静にすれば、大丈夫と――」
「本当か?何処か痛む所は?苦しいところはないか?」
キョロキョロと国王が、フィオーレの体や顔を見ては傷がないかと探っていた。
「お父様、いつもの元気なフィオーレですわ」
「無理はないか?そうだ、フィオーレ。何か欲しいものは?」
娘にはうんと甘えて欲しい国王だったが、フィオーレは小さく首を横に振った。
「お父様、私は欲しいものはありませんわ。それより、この前の大きな揺れでイシュタルに住む民の家が崩れ住む家がないと、耳にして…私が、城の外に行けたら――」
フィオーレの俯く姿に、ベッドの端で座っていた国王が立ち上がると側近のルイゼの名を呼んだ。
「ルイゼ!ルイゼ!」
コンコンとフィオーレの寝室の扉をノックすると、カチャリと静かに扉を開く音がした。
「国王陛下、お呼びでございますか?」
「うむ。世はフィオーレの心配事を軽くしてやりたい。今の城下の様子と、民の救済について、即刻調べよ」
「御意にておまかせを」
ルイゼが、国王に礼をすると静かに扉が閉まる音がした。国王が腰を下ろすと、優しい手でフィオーレの頭を撫でた。
「早急に、ルイゼに調べさせに向かわせたから、フィオーレはもう何も心配することはない。後の事は、父に任せて、ゆっくりと、フィオーレは休むことを考えるんだぞ」
「ありがとうございます。お父様」
ブランケットをフィオーレの体にかけ、小さく国王が息を漏らしながら、眠ったフィオーレを確認すると椅子から立ち上がり、部屋を後にした。部屋の扉の前で、ハルウドが、頭を下げて国王を待っていた。
「して、今回の件はどう説明をする」
「それについてお伝えしたいことが…」
執務室に向かうと、ハルウドが口を開きフィオーレの様子を伝えるとガタンと、国王が椅子から立ち上がり顔色が変わっていた。
「まさか…フィオーレが」
「…」
「ハルウドすぐ、地下の禁書庫へ向かうぞ」
二人はその足で城の地下の禁書庫へ向い厳重に封印された魔法の鍵の封印が施されていて、王しか開けれない仕様だった。重い扉がギギッとゆっくりと開くと、明かりが灯った。
「こ、これはどういことだ…」
国王の驚くその光景に、ハルウドも立ち尽くして部屋の中を見ていた。
「禁書庫が燃やされているだと!しかも、ただの火災で燃えたんのではなく…」
「兄上は、ここで少しお待ちを。私が部屋の中を見てきます」
二人の時は、兄上と呼ぶハルウドが、先に部屋の中に入り、灰になった本が床に散らばっている部屋の中を進むと、どの本だったかも判別がつかないほど朽ち果てていた。
「兄上!こちらへ!」
ハルウドが奥の部屋から叫ぶと、壁一面に、赤い血文字のようなメッセージが、壁に書き残されていた。
「古の封印されし、その鍵もうすぐ目覚めん――そして我々の手に渡りしとき、多くの人間たちの賛美歌の歌声が響くだろう――」
国王が口にすると、掌を強く握りしめ禁書庫に入った者、ダイニングメッセージが誰宛なのか既に分かっていた国王は、城の出入りする人間を厳重に調べ、フィオーレの護衛の強化をするよう、ハルウドに命を出し、城の中は厳戒態勢に入るのでした。
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