俺の黒歴史と兄の作り物
ぶっちゃけ、話しをどの方向に持ってきたいのか分からない。
まぁ、コメディーだしどうでもいいか←開き直り
城をでて分かったことだがここはクオルカンらしい。
まぁ、人間が国王してる時点でクオルカンかマウケラスのどちらかだとは思っていたが・・・・・・
俺たちは今、勇者一行が辿ったであろう軌跡を追いかけて亜人の王国ベルバンドに向かっている。
地図もばっちり、携帯食料も買い込んだ、傷薬も大丈夫。
ただしラルの武器は無い。
ラルとはヴァラルアのことだ。
長く呼びにくいため、屋根から下りた後本人の了解を経てそう呼んでいる。
そもそも、身長150前後の少女の二倍もある大剣など、持ち歩けるはずが無いのだ
ついでに言うと、剣を持たせると狂戦士化するので持たせられない。
ただ、通常時のラルはとても良い子だ。
そう、スイッチさえ入らなければとても良い子なのだ。円と一緒で・・・・・・
どういうことか?
簡単な話で、円はあれでトリガーハッピーなのだ。
ガスガンの改造品を両手に不良のバイクを蜂の巣にしたり、ナンパして来た男を再起不能にしたりと、苦労は絶えないが、それさえなければ円も良い子だ。
ちなみに、円の持つガスガンは兄が改造に改造を重ねた特別製リボルバー24発入り×2でBB弾(プラスチック製の弾)で厚さ5ミリの鉄板をぶち抜く。それも1メートル以上離れた位地からだ。
いくら自衛の為とはいえ、流石にやり過ぎな感じが否めないし、それを笑って容認する両親も両親だ。
おまけに、最終兵器とか言って兄が設計図から作り上げたオリジナルガスガン・ジェノサイドとか言う名前の二丁拳銃は弾がパチンコに使われるそれで、コンクリートすら一発で粉砕する。
一度防弾チョッキ(どこからか兄が調達してきた)を着て喰らった事があるが、一週間ほど入院する羽目になった。病名は内臓破裂だ。
一発って言ったのに10発近く射ち込んでくれるから・・・・・・
おかげで生死の境をさ迷った。
製作者の兄も流石に冷や汗を流してこう言っていた。
「我ながら恐ろしい物を作り上げてしまったようだ・・・」
恐ろしいじゃすまねぇよ!
っと、思考が黒歴史へと走っていたようだ。
街道をテクテクと北へ向かって歩いていると、当然のように魔物に出くわした。
町の人の話では街道には魔物避けの結界が張ってあるはずなのだが・・・・・・
「きゅい~」
魔物が鳴く。
魔物避けの結界が効かない魔物はかなり高位の魔物で何人もの精鋭が束になって掛からなければ成らないような者ばかりだと聞いたが、目の前にいるのがそこまで凶悪な魔物なのだろうか?
見た感じ猫だ。
だが猫に角はないし背中に生えてる翼はドラゴンが持つようなものと酷似している。
そして何より小さい。
子猫程度の大きさしかないのだ。
「きゅいぃ~」
なんとも切なそうに鳴く魔物だが、魔物は魔物と気を引き締めて宗近に手を・・・・・・
手を・・・・・・
・・・・・・
掛けられなかった。
何を隠そう俺は無類の猫好きなのだ。
猫になら何をされても笑って許せるほどに愛している。
むしろ愛して欲しい。
なんてことを以前呟いて妹にガチで引かれた。
俺は徐にポケットから携帯食料の干し肉を取り出して、猫もどきの前でちらつかせて見る。
猫もどきはその干し肉に狙いを定めて・・・・・・飛び掛った。
うむ、猫だ。
この反応は間違いなく猫だ。
猫好きである俺が子猫?をこんなところに放置していくのも躊躇われるため、その子猫を抱き上げて旅を再会した。