マジ、帰ってもいいですか?
戦闘描写てきと~すぎワロス
メイドさんの案内で修練場にたどり着いたのは良いのだが、思わず回れ右をしたくなった。
見渡す限りに人人人
「よく来た、お主の武器は腰に下げている太刀良いか?」
審判を務めることになった騎士団長が訪ねてくるので頷いて返した。
相手は既に配置に着いているらしいので俺も指示された場所へ向かう。
・・・・・・どういう事だ?
「ヴァラルアだよな?」
コクっと頷くので間違いないらしいが少女だ。
何をどう見ても12~3歳の少女だった。
「では、確認する。勝敗は武器の破損、紛失、相手の死を持って決する」
「い、異議有り!」
「却下します、それでは開始!」
なんですと!?
行きなり開始された試合にさっと前を向くと、少女が自分の二倍程もある大剣を地面から必死に引き抜いていた。
なんか和む風景だなぁと思いつつ最初の一歩を踏み出して、その場を飛び退く。
今まで居た場所はぱっくりと斬られており、今までの緩んだ気持ちを絞め直した。
少女はニンヤリと口の端を吊り上げて、大剣を引きずりながら猛スピードで突っ込んできた。
「も、もしかしてバーサーカーか!?」
余談だが、銃の引き金を引いて乱射していれば幸せな状態、あるいはそれで幸せを感じる奴の事をトリガーハッピー、ものを壊し狂ったように暴れ回る奴の事をバーサーカーと呼ぶ。
正直、超めんどくさい。
全く喋らないが目がギラついている。
成る程、緊張が走った理由がよくわかった。この手の輩は一度暴走状態に陥ると気絶するまで止まらないし、なまじ強さが半端じゃないから下手したら命懸けになる。
こんなことを考えながらも必死にヴァラルアの大剣を避けまくる。
まるで暴風の中にいるかのような錯覚に陥る。
剣を避けても剣風だけで体勢が崩される。
それでも気合いで避ける。
かすりでもしたら瞬時に挽き肉になりそうだ。
そんなのはごめん被りたい。
仕方がないがここは三日月宗近を使わせて貰おう。
こいつはなるだけ使いたくなかったのだが・・・・・・
ヴァラルアから大きく距離をとって宗近に手を掛けた。
離れた俺を追うように駆けてきたヴァラルアが降った大剣に合わせて宗近を抜刀する。
「祖父直伝の久我流抜刀術一ノ形、金失せ」
互いに振り抜いたその状態で動きを止めた。
一拍をおいてヴァラルアの大剣が根元からずり落ちた。
あ、あぶねぇ!
力加減間違えたかと思った、鉄がなんの抵抗もなく斬れるとは・・・・・・
握った感覚からとんでもない刀だとは思ったがまさかここまでとは、恐るべし天下五剣。
宗近を鞘に収め、改めてヴァラルアを見ると、先ほど間でのギラついた目ではなくおっとりとした瞳に戻っていた。
唖然としていた騎士団長がはっと我に返り試合の勝敗を告げた。