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厄介ごとの予感

コメディーどこいった・・・・・・

あれぇ~おかしいな、こんな予定じゃなかったのに、いつの間にやら割かし真面目なファンタジー化してる・・・。

とりあえず今言われたことを整理しようか。

まず刀を置いていけ、これは無理だ。

宗近は我が家の家宝であり、今のところこの世界では唯一俺が信頼を置ける相棒だ。

次に俺自身、これも不可能だ。

気に入ってもらえたことや、かっこいいと言われたことは嬉しいが俺には兄を迎えに行くという使命がある。おまけに軽く流してしまったが13人目の夫って未亡人とかそんな次元ではない。

そして最後にこの女医さんに向かってママと呼んだ少女だ。

年齢的には俺と同じくらいか、少し年下だろう。

どう見ても少し歳の離れた姉妹にしか見えない。

人間、頭では理解してても納得できないことというのはいくらでもある。

目の前の状況はまさにそうだった。


「なんだいシュイ、こちとら今は仕事中だってのが分からないのかい?」


「それどころじゃないの! これを見て!」


そう言ってシュイと呼ばれた少女が鞄から取り出したのは花の蕾だった。

それを見た女医さんが傍目に分かるほど動揺を表した。


「シュイ、これをどこで?」


「この街から西に3日ほど進んだルドラ渓谷の谷底に、私じゃどうにも成らないほどに群生してた」


「それは非常に不味いな、完全に絶滅したと思っていたからここには対処薬が無い・・・・・・」


ことの成り行きを見守っていた俺だが流石にただ事ではなさそうなので会話に割り込む。


「あの、その花がどうかしたんですか?」


「ん、知らんのか? いや、知らなくても不思議ではないか。この花はイビルズホワイト、別名を魔女殺し草というんだ。」


「魔女殺し草だって!?」


今の今まで部屋の隅でいじけていた犬派が噛み付かんばかりの勢いで迫ってきた。

それでも首を傾げる俺とラルに犬派が懇切丁寧に説明してくれた。


「魔女殺し草は猛毒草なんだ。一つの花から取れる毒液の量はおよそスプーン一杯分、たった其れだけの量ですら街一つが壊滅する。性質が悪いことに普通に風に舞う花粉ですら吸い込めば一晩で命を落とす。抽出された毒液を口にすれば即死だ」


「花粉の方ならば一応治療薬はあるものの特別な製法を用いるために値段が高く、おまけにウィッチの隠れ里でしか作られないの」


「名前の由来は毒に対して強い耐性を持つ魔女ですら死に至らしめることからついた。80年ほど前に三カ国で同時に駆除を行い、絶滅したとばかり思っていたのだがな」


犬派に便乗してシュイという少女と女医さんも説明してくれたが、分かったことは一つだけだった。


「大変じゃないですか!」


「だから、さっきからそう言ってるでしょ! イビルズホワイトは魔術に強い耐性を持ってるから魔法で焼き尽くそうにもできないのよ。数が少なければどうにかなるけど、群生してたらそれだけで魔術障壁を張ってるのと同じ効果があって魔女じゃ近づくこともできないの」


悔しそうにするシュイと真剣に何かを考えている女医さん。

そして真直ぐにこちらを見て口を開く。

その時点で物凄く厄介ごとの気配を感じ、できるならば断ろうと思っていた。


「君に頼みがある。拒否権はないと思ってくれ」


しかしながら先手を打たれてしまった。

既に頼みじゃねーよと突っ込みたいが我慢する。


「なんでしょうか?」


「うちの娘、シュイと一緒にウィッチの隠れ里へ行きイビルズホワイトが生息していたことを至急伝えてきてくれ。それと解毒薬をできるだけ早く持ち帰って欲しい」


「・・・・・・分かりました」


「あたしはここから離れられないからね。街を守る結界を張らなきゃならんし、唯一の医師が居なくなったら大変だろ?」


俺の物言いたげな視線を受けてサラリと切り返してくる辺り、この人にはとても勝てそうには無いと思った。


勢い任せで新キャラシュイちゃん出しましたが鈴音とキャラ被りそう・・・・・・

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