第四十九話 ペアミッション1
「今日の授業は、グループサバイバルです」
年が明けて、ほぼ全員の進路が決まったころ。
井花先生は授業内容をそう伝えた。
「グループサバイバル……? またですか?」
誰かがそう聞いた。
「同じように聞こえるかもしれないけど、今回はペアでやってもらうよ」
ペアか……
「ペア……? ペアサバイバルじゃないですか」
「そうだな……まあ、ペアミッションとでも呼んでおこうか」
なるほど……
「いつものようにくじ引きでペアは決めさせてもらった」
そう言って井花先生が発表したペアは、本当にくじ引きで選んだようなランダム性があった。まあ、同じグループで組まれているところもあるが。
【ペアサバイバル 組み合わせ】
・久遠竜喜&倉本継
・吉坂陽&河越夏渚飛
・宮瀬龍杜&藤井柊璃
・藤田希來&柴崎飛翔
・時山亜里&岡崎裕太
・上田永亜&神代風音
・津田亜羅斗&竹田空樹
・下浦玲誠&一枝聖彩
・海津衛仁&小林龍生
・水風文人&日和まろん
俺はまろんとのペアになった。なんか意図を感じそうな組み分けだが、他を見る限りくじ引きっぽいから、疑いすぎなだけだと思う。多分。
「今回のミッションは、悪性魔物を倒すこと。まあ、最終ミッションでやってもらったような感じだ」
「なるほど……」
「じゃあ、行くぞ?」
そう言った後、井花先生は何か石を掲げ、「転移」と言った。
すると、教室の中が光に包まれた。
前回のように悲鳴じみた声が上がることはなかった。
そして飛ばされて目を開けると、そこはいきなりダンジョンのようなところの中だった。
周りにはまろんしかいなくて、ひっそりとしていた。魔物の気配とかもない。
「文人さん……はぐれちゃったんですかね……? 魔法失敗みたいな感じで……」
『それは考えにくいだろ。こんなピンポイントに扉の前になんて』
「確かにそうですね……じゃあ、他の人もこんな感じで?」
『おそらくな』
いかにもボス部屋みたいな大きな扉の前に俺たちは転移させられたようだった。
「じゃあ、ここの中に入って、クリアすればいいってことですかね」
『そうみたいだな……命懸けみたいだし』
「命懸け……何人死者を出すつもりなんでしょうか。学院は」
『知らない。でも……ごめん。まろん』
「え?」
『俺の周りは危険なことが多いっていうか……前回もそうだったけど、今回も相手のレベルがぶっ壊れてる可能性がある』
「そう……ですか……」
前回だけじゃない。進級テストの時もだ。今回も、可能性は高い。
「でも、私、文人さんに着いて行きます」
『えっ……あ、そうか。ありがとう』
一瞬動揺したが、そういう意味ではないだろうと割り切った。
『じゃあ、行くぞ』
「はい」
そして俺たちは扉を開け、中に入っていった。




