第三十七話 グループサバイバル4
俺はその次の3撃を防ぎ切り、ゴブリンの長の剣を弾き飛ばした。
「××!?」
ゴブリンの長は驚いたような声を出した。
『これで俺の勝ち』
俺はゴブリンの長に向かってそう言った。
すると、ゴブリンの長は手を2回叩いた。そして、後ろの群れの中の一匹が石を持って前に出てきた。
俺はその石を受け取った。
『これが……ゴブリンの……石……?』
そう聞くと、ゴブリンの長は再度うなずいた。
『おぉ……』
俺はその石を少し眺めた。
そしてゴブリンの長が近寄ってきて、俺の腕を掴んだ。俺は引っ張られるがままにその空間の奥に連れていかれた。
すると、奥に滑り台のようなものを見つけた。その滑り台は下に続いているようだった。
「×××××」
相変わらずなんて言ってるかはわからなかった。
『ここを行けば出れるの?』
俺はそう聞いた。ゴブリンの長はうなずく。
『じゃあ、行くか……ありがとう』
俺はゴブリンの長に感謝を伝え、その滑り台を降りて行った。
階段で下るよりは早かったけど、速すぎて逆に怖かった。
なんとか勢いを吸収し、着地した。
『あぶねー……』
一応確認してみるが、ゴブリンの石は無事だった。
『さて……移動しますか……』
俺は最終決戦の場所を目指して移動を始めた。
◇◇◇
竜喜と龍杜は『炎の宝石』のミッションに向かっていた。
「竜喜、その……」
「ん?」
「なんか、ごめん」
「え?」
「文人のこと」
「うん」
「同じ一級貴族なのになってさ」
「まあ、そうだよな」
2人はなんとか仲を取り戻したようだった。
「それで……その……」
「謝るなら文人に謝れよ。直接」
「わ、わかった」
龍杜は謝るのだろうか。そんな気配は全くないが。
「っていうか、竜喜さ、いつアイツと仲良くなったの」
「護衛の仕事で一緒になって。貴族会議の時」
「アイツ、次男なのに来てたの?」
「文人の兄ちゃん、ちょうど派遣日だったらしくて」
「あー、そうかもね」
2人はそんな会話をしているうちに、目的の場所に着いていた。
「炎の宝石、ここか……」
「一言で言えば、炎の城だろうな……」
見た目は城で、お堀にはマグマが流れていた。
2人は躊躇することなく、その城の中に入っていった。
そしてそこにいたこの城の王女を名乗る人から、普通に宝石をもらった。
「なんか、普通にもらえたな」
「うん……何がミッションだったんだ……?」
2人は気付いていなかった。この城の難しさに。
この城はまずマグマのおかげでとても熱い。でも竜喜の自動冷却魔法のおかげでそれを感じていなかった。
さらに、途中にマグマの間というのがあり、マグマの上にある浮き島的なところをうまく渡らないと行けなかった。ただ2人は平均をかなり超える跳躍力を持っており、対して難しくはなかった。
などと他にも様々なトラップがあったが、それを難無くクリアしていった。ただし、他のグループはとても苦戦していた。
◇◇◇
最終決戦の場所に到着した。そこには既に竜喜たちは来ていた。
『待たせてごめん』
「全然。俺たち2人も要らなかった」
『えー、そんなことあるの?』
「そんなことあった」
竜喜とそんな話をした。
そして俺たちはゲートをくぐった。そこには井花先生がいた。
「やはり一番は君たちか……」
「先生、最終決戦って……?」
「全員が揃ったら説明するよ」
そう言われて、俺たちはそこで待つことになった。
「なあ、水風」
『ん?』
数分が経った時、龍杜がそう話しかけてきた。
「なんか、今まで悪かったな」
『え、あ、うん……』
「これからは、同じ一級貴族として、いい関係で居たい」
龍杜は急にそう言って来た。急に何を言い出すのかと思った。
『それって……?』
「……と、友達……かな、平民が言う」
平民が言うって……まあ、照れてるんだろうな。
『そうか……よろしくな』
「ああ。よろしく」
そして俺と龍杜は握手を交わした。1年前はこんな関係になるとは思っていなかっただろう。
さらに数十分待った末、全員が揃った。順番はE、A、D、C、Bの順で到着した。
「それじゃあ、最終決戦の説明をする」
井花先生がそう言って、一気に場が静まり返った。
「最終決戦は悪性魔物と戦ってもらう。まあ実際に任務経験のある剣士が補助に付くから、死までは心配しなくていい。あと、この最終決戦だけはいつものグループでやってもらう」
今まで違うグループだったのはなんだったんだよ……
そして俺たちはいつものグループにわかれた。なんだか懐かしいような気がした。いつも一緒に居たからかもしれない。そして各グループ別々の空間に案内された。
「悪性魔物って、どんなのですかね」
「知らねー」
「僕たちに聞かれても……」
三人の視線が俺に集まってきた。俺に求められてもしょうがないぞ……?
『すまないが俺も何も知らない』
「ですよね……」
結構強いことはなんとなくわかる。それがどの程度かは知らないが。
そして俺たちはちょっとしたダンジョンみたいな場所を道なりに進んでいった。俺たちはその先に、扉を見つけた。
な、なんだ……これ……
その扉は、ダンジョンにあるような扉ではない感じだった。大きくて、音が鳴ったりしたわけでもないのに、何故かすごく迫力があった。




