第三十四話 グループサバイバル1
「今日は、グループサバイバルを行う」
井花先生がそう言った。
「グループ……サバイバル……? それってなんですか」
そう聞いたのは亜里だった。多分みんなが思っていたことだとは思うが。
「文字通り、グループでサバイバルする」
ほんとにまんまじゃん……
「具体的に言うと、いくつかのミッションがあって、それをグループで乗り越えて、ゴールを目指そうってやつ」
井花先生がそう説明すると、それぞれのグループで何か話し始めた。勝算があるかどうか、という話だとは思うが。
「ああ、それと、グループはいつものグループじゃないよ」
「え」
話が一斉に止んだ。いつものグループじゃない、とはどういうことだ……?
「個人成績ごとに分けてやる。模擬戦の結果とかも含めて、もうグループは分けてある」
なんだと……
そして発表されたグループはこのようなものだった。
A 吉坂陽 日和まろん 河越夏渚飛 柴崎飛翔
B 海津衛仁 藤井柊璃 岡崎裕太 上田永亜
C 藤田希來 津田亜羅斗 下浦玲誠 一枝聖彩
D 時山亜里 竹国空樹 倉本継 小林龍生 神代風音
E 久遠竜喜 宮瀬龍杜 水風文人
みんな色々言いたいことはある。でもまず指摘したのは、一級貴族がまとめられていることだった。みんなは、その実力差を指摘した。
「だから3人なんだよ」
「いや、3人でも実力は俺たち4人・5人以上は持っています!」
「いいかい? ミッションは実力だけじゃない。4人以上じゃないと厳しいところ、逆に3人じゃないと厳しいところ、色々ある。人数と実力、経験でこのグループにさせてもらった」
井花先生に誰も言い返すことはできなかった。
「ちなみにこの学校の全ての先生に許可はもらっている。課外授業だからな」
井花先生は追い打ちをかけるようにそう言った。
「異論はないね?」
……
誰も何も言わない。
「じゃあ、移動しよっか」
井花先生はそう言うと、何か石を掲げ、「転移」と言った。
すると、教室の中が光に包まれた。
「うわぁぁぁ!!」
みんながその様な叫び声を上げる。それもそうだろう。俺もこんなのは見たことがない。竜喜や龍杜も驚いているようだった。
恐らく魔法の一種だろうけど、こんなに大規模なのは見たことが無いし、そんな魔法があることも知らなかった。でも、あっておかしいことではない。むしろあって当然のような魔法だとは思う。
そして光が消え、周りの景色がはっきり見えるようになった。そこに広がっていた景色は、一言で言えば『森』だった。
「なんだここ……」
「森……か……?」
みんな引き続き驚いているようだった。
「ここは国のトレーニング施設。普段は剣士団のトレーニングに使われている」
井花先生はそう言った。
こんな森が、トレーニング施設……? 噓ではないみたいだが、こんな見るからに広そうな敷地を持っていたことに少し驚いたが、まあ納得といったところだった。
「じゃあ、さっき言ったグループに分かれてみて」
井花先生がそう言った。
グループってどんなんだったっけ……俺たちが3人なことに注目しすぎて他全然知らないや……
他も同じみたいで、みんなじーっと井花先生を見つめていた。
「はぁ……文句言う前に自分の確認しとけって……」
井花先生は渋々もう一度グループを発表した。
A 吉坂陽 日和まろん 河越夏渚飛 柴崎飛翔
B 海津衛仁 藤井柊璃 岡崎裕太 上田永亜
C 藤田希來 津田亜羅斗 下浦玲誠 一枝聖彩
D 時山亜里 竹国空樹 倉本継 小林龍生 神代風音
E 久遠竜喜 宮瀬龍杜 水風文人
そして「グループで最初に名前がある人がリーダーだ」とも言った。
俺のグループは竜喜がリーダーみたいだった。なんとなく、一番優秀な人がリーダーという感じみたいだった。まあ、当たり前のことだが。
運がいいのか悪いのか、陽とまろんの6・7位コンビ、風音と継の同流派コンビが同じグループとなっていた。そしてまろんと飛翔が同じグループ、風音は5人のグループに入っていた。
「じゃあ今からミッションを配る」
井花先生がそう言い、リーダーに何かの紙を配った。
竜喜は俺たちにそれを見せてきた。そこには4つのミッションが書かれていた。
・水性ドラゴンの羽
・ゴブリンの石
・炎の宝石
・最終決戦
この4つが書かれていた。
3つ目まではなんとなくわかる。でも4つ目の最終決戦ってなんだ……?
「最終決戦……聞いても答えてくれないよな……」
『多分……』
龍杜は何も言わない。まだ喧嘩してるみたいだった。
『まだ喧嘩してんの?』
「喧嘩じゃない」
『はぁ……まあ、今回は協力するやつだし……さ、』
「……」
龍杜は何も答えない。それもそうか、竜喜と喧嘩したのは俺のせいだもんな……
「まあ、戦うときちゃんとやってくれればいい」
竜喜はそう言った。竜喜自体は、そんなに龍杜のことを悪く思ってはいないみたいだった。
そして紙の後ろにはここの地図が書かれていた。地図があるだけまだいいか……自分たちで探せとか言われたら1週間くらいかかると思った。
「どこから行こうか」
『この順番でいいんじゃない? どんなのかわからないし』
「まあ、とりあえずそういうことで。その都度かえよう」
竜喜とそんな話をした。他のグループも同じような話をしているようだった。




