第3話:仕組み
校門を出るとリーフデが立っていた。
「お前、どこ行ってたんだ?」
「まぁちょっと色々あって、、、」
「俺の事を守るんじゃないのかよ」
「でも何も無かったなら良かったね」
「そうだけど……」
そういえば、俺は今日どこに帰れば良い?自分の家がどこにあるか分からない。
「リーフデ、俺の家はどこだ?」
「案内するよ」
自分の家を他人に案内されるのは変な気もするが、今更そんな事言ってられない。歩いて行くうちにどんどん道が険しくなっていった。
「おい、リーフデ。俺の家に行くんじゃなかったのかよ」
「ここですよ」
「え……?ここは家というより小屋じゃないか」
俺の目に飛び込んできたのは4人で生活するのにはあまりにも小さすぎる家だった。驚いていると、ドアが開いた。
「実弥、帰るの遅かったじゃない。心配したわよ」
「母さん?」
「何を驚いた顔してるの。早く入りなさい」
家に入ると、妹と父が座っていた。荷物を近くに置き、小さなテーブルを4人で囲んで、夕飯を食べる。しかし、夕飯は現実の世界にいた頃のようなものではなく、白米とたくあんだけという精進料理みたいなものだった。こちらの世界では、これが当たり前なのか?
「母さん、焼肉とか焼き魚とかは無いの?」
「何馬鹿なこと言ってるの?そんな食べ物Aクラス以上じゃないと食べれないわよ」
「クラスってなんだ?」
「記憶喪失でもしたの?この世界はそれぞれの世帯がクラス分けされているのよ。上からS、A、B、C、Dクラスね。私たちはCクラス。親の職業や学歴、子供の能力などで総合的に判断されるわ。まぁ、Dクラスなんてほとんどいないし、実質Cクラスが1番下のようなものね」
人間が階級分けされているだと?そんなの現実なら有り得ない。ということは、学校のみんなもクラス分けされているのか。なんて世界だ。
「母さん、風呂は?」
「そんなものないわ。タオルに水を含ませて体を拭きなさい」
「……分かった」
どうやらこの世界ではクラスが下だと風呂にも入れないらしい。酷い世界だな。
拭き終わった後、外の空気を吸いに家の外に出た。すると、リーフデがやってきた。
「どう?この世界での暮らしは?」
「最悪だよ。風呂に入れないし、食事もちゃんと食べられない」
「まぁ確かにそうだね。けど、クラスを上げればそれなりの暮らしは出来るよ」
「子供じゃどうにも出来ないだろ」
「……出来るよ。子供の能力もクラス分けに関係してくる。だから、君が頑張ればクラスは上がるかもしれない。」
「そうか……そうだな……絶対に頑張ってクラス上げてやる。そして咲に見合うような男になるんだ」
男は単純だ。しかし、時にはその単純さが武器になる。そう信じて俺は頑張り続けるしかない。
面白い!続きが見たい!と思った方は★5、つまらない!と感じた方は★1をお願いします!
ブックマークも是非お願いします!