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吸血鬼になった私の話  作者: へたっぴのゆゆ
第1章 転生編
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第22話 作戦会議

前回のあらすじ

魔法の練習をした。

『早速作戦会議…と言いたいところだけれど、

 その前に、まずは僕達の其々出来る事を共有しよう。』


お互いの能力は全て把握しておいた方が作戦を建てる時も、

戦闘時もやりやすいだろうしね。とシュウは続けて言う。


「まぁ確かに…」


『まずは僕から。『権限』』


シュウがそういうと、シュウの左目が黄色に輝く。

多分あれはステータスの文字なのだろうな。

側から見るとあんな風に張り付いてるのか…痛そう。


(『権限』)


今度は私がスキルを発動させると、右目に少し黄色を帯びた白い文字が浮かびあがる。

あれ?シュウは左目だったよな…?


(左右選択できたりするのか?)



『…ルナ?』


不審がるシュウを横目に、

何回か解除して発動してを繰り返し試してみるが、

文字は右目にしか現れなかった。


(うーん…あ、もしかして)


「ねぇ、シュウって左利き?」


『そうだけど…何?』


なるほど、利き手の違いかな?

脳でも右やら左やらなんかあるもんな…これも一緒って事か。


「なんでもない。」


再び権限を発動し、シュウのステータスを確認する。


〈ーーーーーーステータスーーーーーー〉

名前:シュウ(柊 朱卯)

性別:男

年齢:16

レベル:46

種族:ゴブリンキング


ースキルー

『水属性魔法..2』『風属性魔法..1』『闇属性魔法..1』

『命令..4』『感覚共有..4』


ー称号ー

『ダンジョンマスター..3』

『ゴブリンの王..3』『剣士..2』

〈ーーーーーーーーーーーーーーーーー〉


「…何が変わった?あんまり覚えてないんだけど」


『レベルが7上がって、他は水属性と命令、

 ダンジョンマスターがそれぞれ1ずつ上がったかな』



そんだけレベルが上がってもスキルが増えたりはしないのか。

まぁレベルが上がって得られるスキルって種族由来の物が多いし、

ゴブリンキングのスキルは命令とかだけなのかな。


『魔法系はあるにはあるけど先頭にはあんまり使わない。

 だから基本的な攻撃手段は剣かな。ルナは?』


「私のは…『権限』」


〈ーーーーーーステータスーーーーーー〉

名前:ルナ(沙桜 優月)

性別:女

年齢:17

レベル:26

種族:吸血鬼(ヴァンパイア)


ースキルー

『鋭い爪』『 ※ 権限 Ⅱ × 』『 ※ ステータス偽装 × 』

『火属性魔法..1』『水属性魔法..1』『風属性魔法..1』

『土属性魔法..4』『闇属性魔法..2』『無属性魔法..2』

『麻痺牙..2』『霧化』


ー称号ー

『異世界から来た者 × 』『奇襲者..1』

『魔法使い..2』『魔術使い..2』

〈ーーーーーーーーーーーーーーーーー〉


全体的に見るとやっぱりレベルやスキルレベルが低いな。

上げて行きたいけど最近は麻痺牙もあんまり使ってないし、魔法も回数が足りないのだろう。

奇襲者は発動条件が厳しいんだよな…


『やっぱりスキルの種類は多いね』


「多いは多いけど私も対して戦闘には使わないよ。

 爪をメインに火属性魔法で遠距離、血を吸う時に麻痺牙ぐらいね。」


土属性ももう少し練習したら実戦に使うのも良いだろうが、

まだ練習中だし戦闘中に使った事は無いので嘘は言ってない。

 

「ただ素の身体能力は高いわ。羽で飛んだりも出来るし、

 味覚と感覚はよくわからないけど全体的に五感も鋭いと思う。」


『おーけー、まず前提。こちらの勝利条件としては、

 討伐隊の殲滅、もしくは撃退。』


「撃退でもいいの?報復やらなんやら、また来そうだけど。」


『どっちみち場所は見つかってるんだ、

 殲滅してもここに僕がいるという情報がある限り延々と来るだろうね。

 ま、それはこれからの話だ。殲滅でも撃退でも今後は大して変わらない。』


私は一時的に寄っただけだけど、ここから永遠に移動ができないならそうなるわよね。

一応雨宿り…日宿り?…させてもらった恩はあるし、今回は協力するけど。

まぁその後は私には関係ないか。


「で?作戦は?」


『三段階にて迎え撃つつもりだ。

ダンジョンの入り口から広場手前と広場、

そして広場出口からダンジョンコアの部屋辺りで区切った三段階。


そこにそれぞれグループを配置していく。

最初の所はゴブリン達を配置する。みたいにね』


「はー…なんでわざわざ3個に分ける必要があるの?」


普通に全員で迎え撃つというのはダメなのだろうか。


『あの狭い通路で全員なんて大乱闘でもするつもり?

 僕がルナを斬るかもしれないし、その逆もまた然りだよ。

 ゴブリン達も満足には動けないだろうし、


 なによりその混雑状態から冒険者が逃れでもしたら、

 コアに辿り着く前に僕達は冒険者とゴブリンの波を抜けて殺さなきゃいけないんだぞ』


そんな危ない作戦は取れない、と続けて言う。

そりゃそうか、こっちに仲間内で争っている余裕はない。

 

『更に言うなら吸血鬼(ヴァンパイア)ハンター…省略してハンターの存在もあるし、

 すぐにルナが引っ込んだり、僕が前線に立つ等の状況への対応は柔軟に行いたい。

 それに…』


と、そこでシュウは何やら言い淀む。


「それに?」


『いや、なんでもない。一先ずゴブリンに有象無象の冒険者を撃退させる。

 広場はルナに待機してもらって、

 ゴブリンの群れから逃れて来た者の対処、手が空いていたらゴブリンの援護。

 他にも、目立った実力者が居る場合は広場から離れてそちらの対処にあたって貰いたい。』


いや今思いっきり誤魔化したわよね?

死体の件といいコイツ本当に大丈夫か…?


まぁ戦いの後は関わるつもりないし、

こちらに危害が来ない限りどうでもいいはいいけど…


「広場から離れていいの?その時に逃れた冒険者がいたら…」


『僕はコアの部屋の前で待機するし、

 他にも策は考えてるから大丈夫。』


「その策ってのは教えてくれないわけ?後、ハンターはどうするの?

 ハンターが逃れてきても戦うの嫌よ、殺されそうだし」


『策は必要になったら言うよ。

 ハンターも考えはあるから、任せて』


シュウは私の言葉にそう答えた。

何故教えてくれないんだろうか?この期に及んで警戒されてる?

いくらなんでも隠し事が多すぎるような…


目の前に座るシュウを見つめる。

通常のゴブリンとなんら変わらない容姿。

しかし普通のゴブリンとは違い、その瞳には、はっきりと意思が宿っている。

その意思ははたして私にとって良い物か、悪い物か…。


その区別は、今はつきそうになかった。

閲覧ありがとうございます。

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