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吸血鬼になった私の話  作者: へたっぴのゆゆ
第1章 転生編
22/29

第19話 始まりの兆し

前回のあらすじ

霧化の練習をした。


この洞窟にやって来て3日が過ぎた。

私のレベルをシュウ及びホブ達と並べるレベルにするのは時間が足りないと判断され、

それぞれで昼、夜の狩りをしている。


シュウ達がみるみるレベルが上がるのを横目に、

私は夜の狩りで1、2レベ上げるのを繰り返していた。


代わりといってはなんだが私はスキルの経験値稼ぎを続け、

ようやく闇属性のレベルが上がった。


〈ーーーーーーステータスーーーーーー〉

名前:ルナ(沙桜 優月)

性別:女

年齢:17

レベル:25

種族:吸血鬼(ヴァンパイア)


ースキルー

『鋭い爪』『 ※ 権限 Ⅱ × 』『 ※ ステータス偽装 × 』

『火属性魔法..1』『水属性魔法..1』『風属性魔法..1』

『土属性魔法..4』『闇属性魔法..2』『無属性魔法..2』

『麻痺牙..2』『霧化』


ー称号ー

『異世界から来た者 × 』『奇襲者..1』

『魔法使い..2』『魔術使い..2』

〈ーーーーーーーーーーーーーーーーー〉


〈ーーーーーーーーーーーーーーーー〉

ースキル『闇属性魔法』レベル:2


ミニ 以下略

尚、この属性は魔族及び魔物しか所持できず、

魔族・魔物の中で魔法を使える種は必ず持っている。


『暗黒』『暗闇』


〈ーーーーーーーーーーーーーーーー〉


どのスキルも暗いな…

まぁとりあいず試してみるか。


「暗闇」



…。ん?何も起こらない…


「暗闇」



……あれ?なんで発動しないんだろう。

魔力が足りない…はないはず。土属性のレベル4の奴とかは普通に発動出来てたし。

うーん…名前から推察…も、できないな。暗黒と暗闇ってどっちも似たようなもんだろ…。


闇属性魔法って最初はよくわからない奴が多いな…

さて、次に上げるやつは何にしようか。


(火属性も気になるけど室内で火はな…

 次は何にしようか。水?風?)


イメージとして攻撃出来そうなのは風か?

まぁ弱風の次なんてある程度予想はつくが。


(…ん。)


ドタドタと洞窟の入り口から大勢の足音がする。

人数と大きさからして、帰って来たホブ達だろう。

つまり、もうそろそろ(狩り)の時間。


「さてと、今日も行くかな」


ー・・・


道中でシュウと感覚共有し、霧化して獲物を探している。

最近魔物が少ないんだよな。まぁ理由は毎日昼夜問わず私とホブに狩られてるからだけど。


ん…なにあれ…?何かが光ってる…?



「ーーーー、ーーーーー…」


「ーーー、ーーーー」



(あれって……冒険者ッ!まさか、討伐隊!?)


シュウは気付いてるのだろうか?

感覚共有の視界を見る。



(…ん、何か指を動かしてる?……!文字!)


共有できるのは視界だけだから会話はこうするしかないのか!

えっと…?霧…だよね?…気…付かれ…ないように……尾…行して


[霧だよね?気付かれないように尾行して。]



尾行のご命令ね…まぁ今は霧化していて尚且つまだ少し明るいけど夜だし、

出来るだけ離れて私の視力を活かせば気付かれる事はないだろう。


けど尾行なんてした事ないんだけど!?

でも放置なんてできないし…するしかないか。


ある程度近付いた上で、地面近くに降りる。

空でもいいけど、森の中なら木々や葉っぱに紛れられる。


人の視界であれば暗いだろうし、

もし光を当てられても遠くからでは影にしか見えないだろう。

そして、この距離なら会話も聞こえる。



「それで…本当にいるんですか?吸血鬼なんて…」


「居るだろ。実際、俺も血抜き死体見たことがあるが、

 しっかりと首に噛み跡があったんだ。

 吸血鬼の真似事をして血ィ啜る人間でもいるって言うのか?」


「そもそも領主サマだってさぁ、

 事前にいるかどうかぐらいの調査はしてんじゃないのー?」


「そそ、それはそうかもですけどぉ…」


全員で五人、討伐隊にしては人数が少ない?

…怯え腰の白いローブや杖、全体的に白の服装に加え、

装飾の十字架…もしかして、聖職者…?



「神官さんってぇ、聖職者のクセして怯えてばっかよねー。

 もっと神さま神さまーってうるさいのかと思ったぁ。」


「そういう聖職者もいない訳じゃないですが…

 僕は怖い物は怖いんですよっ」


「でも、ここって弱いスライムやゴブリンしかいないですよね?

 吸血鬼が長く滞在する理由なんてないと思うのですが。」



「さぁ〜ね〜。魔物の考える事とかワケわかんないしぃ。

 報酬の為にパパッと見つけましょーよぉ」


「みみみ見つけるんですか!?吸血鬼ですよ!?

 血を吸われちゃうかもしれないのに…」


神官の手足は震えていて、小動物を彷彿とさせる。

…弱そうだな。こんな奴らが相手なら余裕で勝てる気がしてきた。



「なあにー?血を吸われたら吸血鬼になっちゃう〜!的な?」


いわゆる眷属化の話だろうか。血を吸われたら吸血鬼になる…か。

まぁ、今の私はそんな事出来やしないが。


「教典で見た事があるんです、司祭が吸血鬼になったっていう話なんですけど…

 望んで成った訳ではないのに、邪教徒に近い扱いをされてしまい、

 最終的には聖なる火によって焼かれてしまったって…」


「元が誰であろうと、吸血鬼は人間を襲う。

 ならば殺すしかないのは至極当然のことだろ?」


(……。)



「そ、それは…そうかもですけど…」


「僕らは偵察隊ですが、先に討伐したら報酬も増えるでしょう。

 だから討伐する気でいるのですけれど…神官さん。

 吸血鬼に同情とか、怯えるとか、別にいいですけど、

 戦いの邪魔はしないでくださいね。」


「は、ハイ……。」



「吸血鬼なんて珍しい魔物…あぁ、早く戦いたいものです。」


「ぁーあ、戦闘狂は怖いぜ」


「それハガルは言えないでしょー」


「いやアンタもでしょ…」



こっっわコイツら…。あ、そうだステータスを……いや。

ワンチャン気付かれる可能性もある、やめておこう。


神官はまだしも、冒険者は4人組。

数的有利はあちら側にあるし、

なにより彼らは目的が吸血鬼と聞かされた上で来ているだろう。


この世界の吸血鬼がどれぐらい恐れられているのかわからないが、

神官の様に弱ければ同じように怯えるはず。

しかし、彼らは自信満々であり、自分達は狩る側だと信じきっている。


それが自惚れなのか、はたまた事実なのかどうかはわからないが、

今一人で突っ込む事こそ無謀というものだろう。

気付かれていないのであれば、それを利用しない手はない。

閲覧ありがとうございます。

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