表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼になった私の話  作者: へたっぴのゆゆ
第1章 転生編
15/29

間話 血抜き死体 ※別視点

コンコンコン。

静かな部屋で、ノックの音が響き渡る。

「入れ」


カチャリと扉の開く音がし、執事が部屋に入る。



「''血抜き死体''の件、調べて参りました。」


「それで…どうだった。


「発見当初から徐々に死体の数は増え、

 現在凡そ10体以上の死体が見つかっています。

 それもゴブリンだけでなく、ボブゴブリンの死体までも。


 しかも、森全体を探索出来てはいない上、

 魔物に食べられた物もあるとなると、それより多いと思った方が良いでしょう。


 位置はそれ程街に近くはありませんが、

 いずれは森の魔物が狩り尽くされ、この街を襲ってくる可能性が高いです。

 早急に対処すべきかと…」



血抜き死体とは、2週間程前に我が領土で冒険者が発見した

不自然に血だけが抜かれた死体の事である。


さらにその死体には噛み跡があるため、

吸血鬼の仕業だと思われる。



不安がる冒険者達に「早く討伐しろ」と急かされているものの

もし吸血鬼だった場合、我が兵力では足りぬ。


もし仮に下位(レッサー)幼体(ベビー)だったとしても、

吸血鬼は吸血鬼。人間並の高い知能を持ち、

適正属性も多く、魔力も高く、魔力操作にも優れている。


とてもじゃないが、我が領の兵力で勝てる相手ではない…

仮に勝てたとしても、被害は避けられないだろう。



「…それ以外には、何かあったか?」


「…はい。血抜き死体と同時期から、

 冒険者等に確認されているホブゴブリンの数が急増しています。

 それと共にその場近くに浅い洞窟がある事も報告されています。」



血抜き死体だけでも厄介なのに…

これ以上胃を痛める案件が増えないで欲しいものだ。


ただゴブリンの巣が成長しているだけか、

もしくは、新たなダンジョンか…?


そうなると厄介だ…

ダンジョンは富を齎すと共に、災害を齎す。

早急に対処をしなければならない。


もしダンジョンではないとしても、ゴブリンの巣の繁栄力を舐めてはいけない。

巣ひとつだけで滅ぼされた村がどれだけある事か…。



どちらにせよ、早急な対応が求められる。

 

ゴブリンの巣の方はギルドに任せるとしよう。

それでゴブリンの方は問題ないだろう。

しかし、吸血鬼に対抗する手段…か…


「お恐れながら旦那様、吸血鬼とは恐ろしいモノです。

 通常の武器や戦法では勝てません。


 やはり、教会に任せるのが確実でしょう。」

 

やはりそうか…


「ギルドに緊急依頼を頼む。

 内容は吸血鬼とゴブリンの巣の討伐と殲滅。

 参加できるのはランクD以上の冒険者だけだ。」


「しかし、それでは吸血鬼には…。」


「わかっている。そこは教会の吸血鬼ハンターにお越し頂こう。

 そちらは私が手配する。お前はギルドに依頼を出せ。」


「はっ、かしこまりました。」


閲覧ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ