第14話
目を覚ますと、辺りは完全な闇だった。
(あ!前にもこんなことが…)と思っているとやはり真っ暗な中、一か所だけ光が当たる。
そこにいたのはルビちゃん。前回同様に浮いている。
「やぁ!3日ぶりってところだね。その後はどうかな?楽しくやってるー?」
「うん。生活が一変しちゃったよ。この3日間とても幸せ。あれ??私、どうしてルビちゃんのこと忘れてたんだろう?」
ルビちゃんは楽しそうに笑う。
「そうなるようにルビちゃんが仕組んだからねー。」
私は疑問に思っていたことをルビちゃんに聞いてみた。
「あの、、、新しい陽一さんは誰なの?」
ルビちゃんは少し考えてから笑った。
「3人とも同じ質問するんだねー。」
「まぁ、いっか。教えてあげる。君たちと似たような境遇だったんだよ。彼の場合は、奥さんと娘さんにずっとゴミ扱いされていてね。ATM兼家政婦として扱われてたわけ。無視は当然で、バイ菌扱いもしょっちゅうだったし、持ち物は勝手に捨てられてたね。で、ちょうど良かったから取り替えたというわけさ。」
私は驚いて、思ったことを口に出す。
「あんないい人を…?」
「ヒトはそれが当たり前になると幸せを感じなくなっちゃうんだよ。悲しいことにね…」
「前も言った通り残り4日間だよー。次の時はタダじゃ…」
私はもう一つどうしても聞かなきゃいけないことがあった。だから、ルビちゃんが言い終わる前に質問した。
「あっ!待って!!」
「ヒトの話を遮っちゃいけませんって習わなかった?まぁ、いっかー。で、なに?」
「前の陽一さんは、どうなったの?」
「あぁ〜、クソハゲデブのこと?あんなやつ気になるんだ?ちゃんといるよー。ちょっと会わせてあげようか。後ろにご注目〜!」
そう言ってルビちゃんが指差した方を見ると、今度はその部分だけ光が当たり檻が現れた。中に手足を拘束されたアイツがいた。アイツは私に気がつくと声を荒げて叫んだ。
「オイッ!!クソ女!早く俺をここから出すようにソイツに言えッ!!今なら許してやるッ!!」
相変わらずだ。
「ちょっとうるさいよ、君。黙っててくれるかなー?」
ルビちゃんが手をかざすと
「熱い!熱いッ…!」と転げ回っている。
「どう?元気でしょー?ん?元に戻して欲しくなっちゃったかな?」
私はブンブン首を横に振った。
「クソ女!テメーゼッッタイ許さねえ!!戻ったら今まで以上の『制裁』だッ!!」
転げ回るアイツを無視して、
「ルビちゃん、私たち家族を助けてくれてありがとう。」と、私は笑顔でルビちゃんにお礼を言った。
「んーっ?お礼なんて良いよ。それにまだ助かったわけじゃないしねー。こっからだよ、愉しくなるのは。フフフッ。ほんとに愉しみだよ。」
それを聞いた瞬間、私の意識は遠のいた。
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