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ちびっ子魔鏡相談

コロナなので。

「皆様ご機嫌よう。

 先々週は緊急特別番組となり、驚かれた方も多い事と存じます。

 本放送が事実と判明し、無事聖女様が神殿に保護された顛末(てんまつ)については、周知の事でございますが、あまりにタイムリーであった事から、やらせではないか、という嫌疑をかけられ、スタッフ及びライフ先生の事情聴取がなされた為、先週はお休みとなりました。


 無事、真実、潔白であり、フレジア伯爵家ご長女カナリエ嬢に係る経緯は全くの偶然と、ライフ先生のご慧眼によるものと証明されました。


 ただ、ライフ先生がこの一件で多少血圧が上がられ、本日は番組史上初、ご自宅からのリモートとなります。


先生ー。魔鏡は良好でしょうか」


「ご機嫌ようー。タイムラグも無いわー。わたくし綺麗に映ってるかしら」

「ご機嫌よう。クリアです。視聴者の皆様にも魔鏡の中の先生がご覧頂けています。先生お加減如何ですか」


「ありがとう。興奮しすぎちゃったのねー。久しぶりに休息が取れたので、来週はスタジオ行きますからねー」


「先生のお寝巻き、お可愛らしいです。……では、本日は趣向を変えまして、ライフ先生リモートによる魔鏡子ども相談をお送りします」


「相談者の魔鏡、こちらにも映して。まあー、ご機嫌ようー。可愛らしい子!今日はどうしたのー?」


「本日、先生のリモートにより、相談者の魔鏡にミュートがかけられません。

よって視聴者の皆様には未成年保護法と忖度に準じて、声とお姿をウサギに替えてお送りしています」


(えと、えと、わたし十歳の貴族の娘なんですけどおー、お友達がー、意地悪するんですう)


「あらー、どんな事?」


(こないだ、お茶会に出たんですけどー、お話かけてもお返事下さらないし、()()()()()の人達も、こっちを見てクスクスしてるしー)


「……無視された、と言う事かしら」


(そう!まるでわたしが存在しないかのような雰囲気で……いたたまれなくて、わたしっ)


「それで、貴女どうしたわけ?」


(遅れていらした()()()()()殿()()があー、

あ、敬称ダメでしたよね!ごめんなさい!……え、と、男の子とぉご挨拶してお話しました)


「あら。女の子達とお話するの諦めて、高位貴族の御子息に声をかけたの」


(はい!殿下、っと、その子はぁー、いつも優しくてー、お話相手が居ないって言ったら、皆様に、社交に慣れていないんだから優しくするべきだよって、注意してくれて!)


「良かったわね。で?何の相談なのかしら」


(え。え、と!殿下っと!男の子と一緒の間は良かったんですけどー、他のテーブルにご挨拶に離れたら、また意地悪がは、始まって!ぐすっ)


「……その子、ひょっとして貴女より身分が高いんじゃない?それから、はじめに貴女からお声かけしたんじゃない?」


(え!すごおい!そうです!)


「あのね。わたくしはあくまでも相談者のお味方だから、あえて言うけど、あんた、社交を学んでないの?高位貴族からお声かけを頂かないと下の者はお話出来ないのよ?」


(え?だって!学園ではっ、人は等しく学び舎にあるって!)


「それは、人には学ぶ権利があるって事。権利と義務は違うのよ。貴族のしきたりを守るのは、義務なの。お嬢ちゃん、分かる?」


(……お、女の子達もおんなじ事言います!平民あがりのわたしだから知らないんでしょって。でも!そんなのオカシイですっ!わたしっ!誰とでも仲良くなりたいしっ!)


「……どうしようかしらねえ。このままだとお嬢ちゃん、あんた破滅するわ」


(えっ)


「助けてくれた男の子。いっつも学園で一緒にいるんでしょ?もしかして他にも男友達作ってる?」


(はい!で…その子も他の子達も、みんな親切です!わたしはわたしで良いって!癒されるって!)


「そう。良かったわね。でも女の子とも仲良くなりたくはないの?」


(もちろんです!わたし、ガールズトークも楽しみたいですっ)


「んー。今の状況はね、お嬢ちゃん。あんたは誰とも関係なく、あんたの流儀を通してるの。ぶれてないわ。その点は褒めてあげる。馬鹿正直なのね」


(それって、サゲてません?)


「頭は回るのね。

 んで、あんたの流儀は高位貴族の男の子には新鮮なのね。男って、ほら、無頼とか、ちょい悪に憧れて、いきがっちゃう時期があるから。でも、女の子達にそれは通らないわよー。女の子はずっーっと女子なの。社会の仕組みを折り込み済みで、親しくしたり、マウントとったり、自分の存在を確認するのよ。そんな女子社会では、あんたみたいな異分子、排除する本能が動くのよお」


(よく、わかりませえん)


「都合が悪くなると馬鹿になるのね。

 だからね、あんたのやり方は男子からは可愛いのよ。幼いって感じ。つい守ってやりたくなる。

男の子のプライド、アゲてんのね。

 でも、……あんた想像して?男の子にチヤホヤされて女の子達と付き合わない女子」


(……媚びてるカンジします)


「でしょ?それが女子からのあんたよ」


(嘘っ!わたくし(よこしま)な気持ちなんか全然!)


「気持ちが外に見えれば苦労しないわよー。……あんたホントーに狙ってない?攻略してる気持ちになってない?」


(そ、そんなあ)


「なってんのね。んー、玉の輿かあー。出来たらあんたに親身になりたいけど、ほら?わたくしもこの国で長生きしたいから、ズバリ言うわ」


(は、はい)


「お嬢ちゃん。学園で男タラシても、社会では通用しないの。

 あんた、多分身分的には低い位の御令嬢でしょ?しかも、平民あがりの養女クラスかしら?まだ十歳だったら婚約もまだでしょ?

 いい?今の間に将来を考えなさい。男にすがりたいなら、程々の家のコ程度に絞って、早めに既成事実作って婚約までガブリ寄るのよ!


 それから、今までの事捨てて、女の子の社会に(なら)う事!

結婚したら家を立てるためには奥方様とのお付き合いは重要なの。今のうちに将来の侯爵夫人や伯爵夫人に取り入るべき」


(そんなあ。もしかして、周りの男の子の中で、欲しいって、きゃ!言ってくれるかもおー)


「ホント馬鹿ねえ。……そうねえー、選ぶのはあんた。

 男を落として、成り上がるか

 身の丈に合った人生を送るか

 なにが幸せか、わたくしには結論出せないわ

 まあ、兎に角、女の子には向こうから挨拶されたらお話する事。それから、男の子もウワサは耳にするだろうから、もう少し女子の中で過ごして、悪評をもみ消すように企みなさい」


(ハイッ。先生、ありがとうございましたー)


「はいはい。あ、それと、何か言われてすぐにウルウル泣くのは女子には総スカンだからねっ!悪手よ、って、切っちゃってるわね」


「本日は、女子に虐められる女の子からでした。先生如何でしたか」


「あのお嬢ちゃん、わざと殿下ピーって漏らしたわよね。あざといわねー、公共の電波使って彼氏が王家ピーピーってマウント取ったと。しかも自分は悪くない、と。ううんー、あの手の娘は目が覚めないと思うわ」


「厨二病の男の子がはまる罠と、社会構造を踏まえて付き合いをする女の子。先生、わたくしこのくだりに感激いたしました。

 皆様は如何感じられましたか?

 ウサギのお嬢ちゃんが平穏に学園生活をお過ごし出来る事を皆様と共にお祈りしましょう。この番組が王宮に流れていない事を祈念します」


「……上手いアンカーになったわねえ、貴女」


「恐れ入ります。では、2人目のご相談に進みましょう」




ちびっ子相談続けます

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