とある高位貴族の侍女 お嬢様がお可哀想です2
わあい。4話目だあ。
「CMの懸賞については番組の最後にお知らせします……ライフ先生。家族から虐待され、健気に生きる令嬢ですが、ここに至って不実な婚約者が現れたようですね」
「そうねえ!妹が婚約者に言い寄ってるって、奪う気満々なんじゃない?相談者さーん」
「ライフ先生は魔鏡を通じて相談者と向き合っております。皆様にはライフ先生の1人語りでお察し頂きつつご視聴下さい」
妹の独りよがりじゃなく、明らかにそいつもいい顔してるわけね?
成る程。お嬢様に会いに来たと言って、妹とイチャイチャしてるってわけね。ちゃんと来訪は伝わってるの?……やっぱりね。
3度に一度。
しかも、わざと一刻程遅らせて知らせるって?
なあに?訪れる前に花とか手紙とか出してないの婚約者。あー。握り潰されてる。
嫁に追い出すんじゃなかったのお?
邪魔してどうすんのお?
あー妹が気に入ったと。
何でも姉の物取っちゃう女ね!
いるいる。そういう女。それで優越感持つのね。
お嬢様大丈夫?
あー。
妹は可愛らしくて明るくて、愛されて当たり前。自分のような地味で真面目が取り柄の面白みのない女の子は、嫌われても仕方がない、って?
悔しいわね!でも貴女ハンカチ捻りすぎて破けちゃうわよ!ちょっとお待ち!
こうなったらお嬢様の魅力UP作戦でいきましょう!
そうね……妹がぽっちゃりさんになった分お嬢様も肉付きよくなったのよね。うん。見せて。
あらあ!
……光るわよ。これは磨けば中々の御令嬢よっ。
沢山の美女見てきたわたくしが言うんだから絶対!女の子は女性になる時に変化が大きいの。妹の方は幼いから綺麗なだけ。
本当に貴婦人になれる素材よお!
良かった。これなら話は早いわ。
貴女ね、お嬢様のドレスをお直しして。多分時代遅れのヤツでしょ?今はね、上半身は身体に沿わせて、切り替えからはゆったりとしたラインが流行りでしょ?お嬢様の清楚な色気を強調しましょ。
髪は、ほら、ハーフアップが良いわね。前髪は流して。折角の綺麗な眉が勿体ないわ。
化粧は、薄く。頬紅をほんのりオレンジがいいと思う。唇はすこーし施して頂戴。
貴女もお綺麗なんだから、もう少し頑張ってバトラーと仲良くなれない?たらし込んでもいいから味方につけるの。そうすれば婚約者の来訪はすぐ教えてもらえるわ!
会話。
ううー、歯痒い程噛み合わないのね!相手、馬鹿?趣味が違いすぎる?お嬢様の教養と合わない?
肝心な所だけど、お嬢様はそいつで了解してんの?
あ、自己肯定低いんだった。
そいつしか居ないって思い込んでるに違いないわよねー。
ううーん。
じゃあー、ペット居ないかしら?
その子を抱いて会えば自ずと会話と接触が…
え?
ええっ?
輝く銀色の小狐が居るって?
月夜の夜に突然お嬢様の寝室に現れたの?
お嬢様から離れない、懐かない。
で、お嬢様がお一人の時、会話が漏れ聞こえる、と。
お一人……ねえ。
で、その狐?が居ると、割と妹どもの意地悪が通らないって事、ない?
ある。そう。
狐、浮かんだり、しないわよねえーえ?するっ?する、のおっ!
お嬢様の魔力属性は?
えっ、不明?教会で分からなかった。石が、割れた??割れた、そ、そう……
ねえー、貴女のお嬢様、ひょっとしたら、ひょっとしたら、よ。
この国に、とってもとっても重要な女性かも。
そんなチンケな婚約者や、とんでもない家族なんか、速くザマァして、身綺麗にした方がいいかも。
えっとね、ご相談はここまでだけど、魔鏡はそのままにして!スタッフが対応しますから!
出来たら信頼できる家人を呼んできて!いい?お貴族さま達に気づかれないように!絶対よ!
「せ…先生。どう言う事ですか?」
「ディレクター。(ピーピー)爵家に大神官を派遣させて。聖女が現れた、と」
「「「えっ!せ、聖女っ」」」
「視聴者の皆様。
銀の狐は百年前の聖女を加護なさった大精霊です。そして多分お嬢様は、ちっぽけな教会ではお計り出来ない程の魔力をお持ちなのです。
わたくし達は、今、百年来の聖女降臨に立ち会う事となるでしょう……ふう、ふうーっ!」
「ら、ライフ先生!気を確かに!
あ、あ、カンペですか、はいっ!
皆様っ!番組は、急遽、『緊急速報!聖女現る‼︎』をお送りします!
チャンネルは、そのままでっ!」
如何でしょ。
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