最終章 突撃!創立記念日 卒業生うち明け話
今回のネタは短編で書きたいモノです。
「素晴らしい式典でございました。歴史ある学園に相応しいご来賓の方々によるスピーチでしたね」
「この番組は、隣国諸国にも中継されております……卒業生の方々のお力を感じますね!」
「祝典序曲素晴らしかったです。最後の4人のソリストによる重唱、そして現学生による合唱!私さぶいぼモノでしたー」
「局にも沢山のお電話や転移手紙でお祝いのお言葉頂いております」
「ここからは、少しくだけて、祝賀パーティの実況をライフ先生とお送りしましょう……ライフ先生ー!」
(はぁい!こちら学園の大ホールです。こちらに先程ご祝辞なさった宰相様がお越しです……御機嫌ようーフラット宰相閣下ー)
(ご卒業生そして保護者の皆様、御機嫌よう。本日はまことにめでたいですな!)
(うふふ。閣下、良いお酒ですよねー。閣下には学生時代の甘酸っぱい思い出がお在りとか?)
(はは。)
(お聞かせいただいても?)
(えー?……そうですねえー
あの頃の私はアタマでっかちでしてな。レポートなんぞは優秀を取り続けてやる、などと思い、図書館に詰めておりました。
すると
不思議な偶然に気がついたんですわ。
レポートの参考にしたい書物を借りる度に、貸し出しカードに必ずある名前に気がついたんです。
毎年そう変わり映えのする課題など先生方は出されません。どうしても参考文献は毎年使われるもんは決まって来るわけです。それでも、ワシは独自の視点で書きたかった。すると、苦心して集めた資料を2年前同じ人物が借りておる
これも、これも。
かーっとなりましてね。
私の切り口は独自の発想だ!同じもの使っても私が上の筈だ、などと憤慨しまして、担当の先生にその上級生が私の学年時に書いた物を見せろと詰め寄りました。
素晴らしかった。
ここ10年なかった最優秀であった。
確かに視野はやや狭いけれど、私では目が付けられなかったアイデアが溢れておった。
私は2学年上の教室に駆け込みましたよ。そいつに会うために。
そしたら
小柄なご令嬢だったわけです。
成程シャロンは男も女もおりますわな。
その女生徒は、決して華やいではおらんし、色気もない仏頂面でしてね。
私の時代、女性は今より地位が低かった。
こんな女に私は負けているのかと、頭に血が昇りました。
何ゆえ女のくせにこんなモノを成した!と、不躾な事を喚きましたな。
すると、
〖わたくしの婚約者は、身持ちが悪く、頭も悪い。近々婚約は無かったことにするでしょう。さすれば、病気療養の父上に代わり、我が家をたてるためにわたくしは領地経営を成さねばなりません。嫡子なれば。
例えこのまま婚姻を結んでも、わたくしの領民を痩せさせる訳にはまいりません。であれば、わたくしが学び学生の間に一目置かれる野心を持って何が悪いか〗
と。
頭を勝ち割られました。
そしてその黒い瞳に
惚れました。
惚れて惚れて
(で、学友の王子やら母の実家やら、使えるもの全て駆使して、その方と結ばれた……賢夫人とご高名な奥方様との馴れ初めね!
まあーっ、昔から腹黒かったのですわね!)
(はは。生涯最高の戦術でしたな!)
「閣下ー!不敬罪に抵触しないのであれば、ドラマ化をご検討お願いしまーす!」
(んまあ、局も欲張りね!
宰相閣下ありがとうございましたー
あらっ、こちらのグループは?
まあーっ、かつて蝶よ花よと謳われた、今はゴニョニョ…なマダム達よーっ。皆様ーっ、御機嫌ようー!)
(ああら、ライフさあん!毎週観てますわあ〜
先週の看板娘さん、泣けたわあ!
ちょっとまってね、ほらほら、飴如何?)
(おば様方、無敵ね!
皆様どのようなお集まりなの?)
(((私達は!学園乙女通信部のOGでーす!)))
(ほおっ!あ、あーっ!
おとつーね!おとつー!
スタジオーっ、あんた達の時代にあったあっ?)
「ありますあります!
淑女の淑女による淑女のための校内新聞ですよね。」
「学内スキャンダル、オシャレコラム、イケメンランキング、先輩こんにちは、街のデートスポット探訪、などなどいろいろお世話になりましたー」
(懐かしいわあ!え、じゃお姉様方って、初代?)
(そうですー。おほほほ。
学生時代はやんちゃしましたねえ!
じ*つ*は、裏おとつーというのもございましてね!)
(あらあー?悪い顔ねー。わたくし存じ上げないわー、どんなの?)
(通信部内の同人誌的なモノでしたの。中身は、『婚約破棄予報』とか)
(なあにー?もしや)
(ギクシャクしてたり、実家の状況の変化を掴んだり、浮気の噂を検証したりして、
このカップルは破棄警報!とか、こちらのお2人は注意報?とか)
(す、っごいわねーっ!怖いわあ〜〜)
(おほほほ!乙女のお遊びですわよお遊び)
(((ねー)))
(イケメンランキングの裏バージョンとかね。あのご子息とこちらのご令息とは、もしやまさかのうふふ、などと妄想したり)
(秘密ノート回覧しましたわねー
も、私ども、ほら、卒業したら即結婚ですから。せめての抵抗でしたわねー)
(ちょっと脳内紫色にしたかったのよね!貞淑な妻になる前に)
(……随分昔から、腐った女子って、居たのねえ……大きいお嬢様方ーどうもーありがと〜ございましたあー!)
「……パワフルな奥方様達でございましたね」
「裏おとつー、読みたいです!後で連絡取らせていただこーっと!
あ、あれ?先生ー、なんか奥の方騒がしくないですかー?」
(ええ。なん、か、生徒さん達が
ん、んん?あれは、第2王子?)
「王子。パーティ。
わたくし胸騒ぎがしてまいりました。
先生、突撃実況お願いします!」
裏おとつー笑
回覧ノート笑笑
まんま私やん笑笑笑
裏おとつー書きたい!