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本条都九子は魔導書をつくる  作者: 筧伊瀬
グリモアツクール編
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01.異世界へダイブ

前話を飛ばした人のための今北産業

・本条都九子ちゃん

・ずぶぬれで

・川岸なう

 高校で集団リンチされていたはずなのに、気が付いたら見知らぬ大自然の中でした。

 なんて、いまどきアニメでも漫画でも同人誌でも見かけませんよ。


「どこ、ここ」


 突然ですが、オッス、オラ、本条都九子! 17歳! 花も恥じらう女子高生!

 趣味はアニメ鑑賞と同人誌鑑賞、おえかき大好きな立派なオタクの腐女子だぞ!

 私はさっきまで、高校の視聴覚室で性悪女4人に集団リンチされてた。

 なんかなんやと主犯の女に窓際に座らされて、そのまま校舎の四階から突き落とされたのだが……気付いたら砂利の上にいた!!

 真後ろは川と崖! 目の前は森!

 誰か、誰かヘルプ!! お客様の中に名探偵か名探偵か、または名探偵はいらっしゃいませんか!!

 ……よし、記憶障害は起こっていないようだ。


「おおっと、これじゃあ『ここはどこ、私はだれ』ってできないじゃん、HAHAHA」


 から笑いを浮かべて、セルフツッコミ。自嘲じみた笑い声は目の前に広がる壮大な森の中に溶けて消えた。

 体がびしょぬれなのは、どうやら真後ろの川を上の方から流されてきたからのようだ。

 制服がずぶぬれで、下着までびっしょびしょ。

 周り誰も居ないし、もう全部脱いでいい? 公然わいせつ罪で捕まらないよね? あと、ほんとに、ここどこ?

 そもそも高校の周りに川なんて無かったし、屋上であいつらに気絶させられたああとパラグライダーに縛り付けられてライドオンしちゃったの?

 それとも急に竜巻でも起こって、飛ばされて異世界に来ちゃったとか? はははーまさかー。


 あちこち痛む体をさすりながら起きあがり、さすがに服を脱ぎ捨てるわけには行かないので可能な限り絞りながら周りを見渡す。

 状況確認。

 えーと、目の前には木があります。

 土もあります。

 あと草と、申し訳程度に花と、石とか虫とか木とか木とか木とか。もちろん人影なし。

 ちくしょう、どうして私がこんなめに。


「あーあー、痣になってる……あのキラキラDQNの殺人鬼共め、次に会ったら息の根止めてくれる」


 私は舌打ちをしながらローファーを1度脱ぎ、靴下だけ脱いで……もう1回ローファーを穿いた。だって、思ったより砂利がジャリジャリして痛かったんだもん。靴の中ぬめってしてて気持ち悪いけど、足の裏をケガするより全然マシだ。

 高校が校舎入り口で靴を脱ぎ穿きするタイプのところじゃなくて心からよかった。中学のときは下駄箱で上履きを脱ぎ履きしていたが、あの薄っぺらい上履きでこの砂利ゾーンをクリアできるとは到底思えない。一部の陽キャ共には『下駄箱に手紙入れたりバレンタインチョコ入れたりできないじゃん!』って不評だったけど、こんな風に『校舎の窓から突き落とされた挙句、いつのまにか砂利たっぷりの川辺にワープ★』なんてことがあったら目も足もあてられないからね……ってなんでやねーん! そんなこと日常的に起こりえねーよこのバカチンがぁ!


「あーあー! だーれーかー! だれかいませんかー! あ、キラキラDQN女以外で!!」

 

 かなり投げやりな気分で叫んじゃう私であった。


「ヘールプ! ヘルプミー! ……ん!?」


 カサッ。

 草むらのほうから物音がして、祈りが通じた!? と思い、ぐるん!! と身体をひねる。

 そうしたら、まあ、いましたわ。


 まず目に付くのは、額に生えた立派で殺傷力高そうなねじり角。

 ぴかぴかのオーロラ色のそれは、光の角度によっては白色にも金色にも見える。くりくりのおめめがチャームポイントの、雪のように白い毛並みのお馬さん。


 あっ、都九子、ピーンと来た。

 この子知ってる、ユニコーンだ。


丁度良いところで切ったら短い……すみません……

というか、今更ですが「今北産業」って通じましたでしょうか。

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