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カーリング女子

作者: ノザ鬼

 それは、北海道に引っ越した女子高生の物語…




 氷上円ひがみ まどかは、父親の都合で北海道の高校へと転校する事になった。



「なんで、私が北海道へ行かなくちゃいけないの!」

 両親への不満をぶつける。

「仕方ないでよ!お父さんの仕事の都合なんだから。」

「もう!」

と、自分の部屋のドアを激しく閉める。


 ベットに入り、頭から布団を被る。

 暗闇に浮かぶのは、スマホの明かりに照らされた自分の顔。しばらく、画面をタッチ。その後、胸に抱く。

「行きたくないなぁ…。」


 着信音がなりメールが届いた事を知らせる。

「『ガンバ!』か…。やっぱ他人事か…。」


 引っ越しの日には、友達が集まってくれた…。

 涙のお別れ…。悲しかったと思う…。


 昔なら、もう繋がりは薄くなると思うけど…。今の時代は、ネットで繋がってるからね…。



 移動の鉄道の中では、ずっとスマホいじっていて、外を見てなかった…。


 そして、最寄りの駅に降り立った時

「な、何にも無いじゃん!」

 呆れたと言うよりは、怒りが込み上げた。


 お父さんの会社の人が、車で迎えに来てくれていた。


 送ってくれていた車中で、引っ越し先に付くまで、私はブスッとしていて印象悪かったと思う。


 引っ越して、一つだけ良い事があった。それは、部屋が広い。今まで使っていた部屋の倍はある! せめてもの救いと思い込むことにした。


 その日は荷物を広げてたら終わった。



 翌日は、今度通う高校へ…。両親が車で送ってくれた…。

 車まで、片道30分超えるなんて…、やっぱ帰りたくなった。



 放課後に、先生に連れられ部活動を見学に回った。

 この高校は、部活動が盛んみたいだけど…。


 先に言い訳すると…。


 引っ越しから転校の環境変化で、気分が滅入っていたんだと思う。

 普段ならあんな事言わないのに…。


 色々と見学して回っていた時に、ふと目に止まったのは…。


 モップ(?)を持った女子の集団…。


「なんですかアレ? お掃除部ですか?」

 その声は、それ程大きく無かったと自分では思わなかったけど…。


「見ない顔だね。」

と、モップを持った上級生らしいが私に…。

「私達を、お掃除部だなんてどの口が言うんだ!」

 声に怒りがこもっている。

「ご、ごめんなさい…。」

 圧に押され、謝っていた。

「謝るぐらいなら、最初から言うんじゃないよ!」

 謝った事で更に怒りが増した様だ。

「あの、そんなつもりで…。」

「どんな、つもりがあったかなんて知らないけど…。」

と、口を継ぐんだ。その時、目は悪戯っ子になっていたのに、頭を下げていた私は気が付かなかった。

「本気で謝るって言うんだね。」

「はい。本当にすみませんでした。」

「だったら、こっち来な。」

と、手を引っ張られた。

「先生。借りるよ。」


 連れて来られたのは部室。なんの部かは判らないけど。

「こんな、もんかな…。」

 ロッカーを漁って何かを用意した。

「これに着替えな。」

「えっ。」

「謝りたいんだろ。」

「はぃ…。」

 声が消えそう…。

 諦めて、用意されたものに手を伸ばす。


「着替え終わりました。」

 それは、目の前の人とおそろいのジャージ(だと思う)。

「じゃあ、次はこっちだ。」

と、部室から出て行く。


 案内されて行く先に、さっきのモップ持ってた人達がいる。その中の一人がこっちに気が付き、

「あれ、今時新入部員ですか?」

と、興味津々で聞いた。

「体験入部みたいなもん。」

と、私を連れて来た人は笑っい返した。

「なるほど。」

 あちらも笑った。


 目的の場所に付いたのか振り向くと、

「さあ、そこへ立ちな。」

と、うながされた場所は…


 そこは、その後の私の人生を変える場所!


 そして知る、『氷上のチェス』と呼ばれるスポーツを!


 私の運命の歯車が回り出す!


【カーリング】


によって!



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― 新着の感想 ―
[一言] 確かにカーリングは、掃除しているようにも見えますね(^^; お時間があれば、私の作品も読んでみてください。
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