ハロウィンにて、勇者(♂)と魔王(♀)が暇すぎてなんか喋ってますよ?
王国歴3018年、人類と魔族の長きに渡る大戦は終結し、まぁなんやかんやで勇者(♂)は魔王(♀)と暮らしていた!
そんな同居開始から10ヶ月経過・・・・・・
魔王「・・・・・・」
勇者「・・・・・・」
魔王「・・・・・・のう、勇者?」
勇者「んー?」
魔王「妾の暦表を知らんかぇ?」
勇者「いや? てかそんなの買ったっけ?」
魔王「むぅ、せっかく歯切れの悪い『2月』とやらを一日増やしてやったのに」
勇者「おい今サラッと天変地異的なこと言わなかったか?」
魔王「気のせいじゃ。そもこれはお主が持ち込んだ太陽暦? なるものの所為であろう」
勇者「それはあのミーハー王にでも言ってくれ。あと今日は『10月』の『31日』な?」
魔王「おおそうか! 何、日付が分かれば良いのじゃ」
勇者「なんでまた急に?」
魔王「・・・・・・」
勇者「・・・・・・」
魔王「とりっく!」
勇者「!?」
魔王「おあとりぃーとぉーぅ!」
▶マオウ ハ 「ドヤガオ」 ヲ ツカッタ!
勇者「・・・・・・」
魔王「・・・・・・」ドヤァ
勇者「・・・・・・」
魔王「・・・・・・」ドヤヤァ
勇者「・・・・・・ハロウィンか」
魔王「なっ!? きっ貴様ッ、ついに異界の『てれぱしぃ』なる技を得たというのか!?」
勇者「どっちも意味知ってて言ってんのソレ?」
魔王「やっやめろ! 頼むから妾のホクロを舐めまわすように調べるのは止めるのじゃ!」
勇者「どんな目的だよ!? というかあの暇つぶしお前考案だったろ!!」
魔王「ちちちなみに6つじゃ!」
勇者「俺より1つ少ないのな。ってどーでもいい! 二度とやんねぇからなあんな謎の行為!?
お前あれだろ、今朝俺が話したからだろ?」
魔王「ふっふーん、何のことやら? それはそうとだなぁ」
▶マオウ ハ 「シラキリ」 ヲ ツカッタ!
勇者「特に仮装とお菓子をもらうくだり」
魔王「ぐッ・・・・・・」
▶シカシ コウカ ハ ナカッタ!
勇者「お菓子オンリーと見た」
魔王「ちっ違う! 断じて違うのじゃ! 決して大人から菓子の搾取か悪戯を選ばせよう―――何? 何も無い? うぇひひならば生娘共に悪戯じゃー! とか考えてないんだからねっ!」
勇者「落ち着け、情報量が多すぎる」
魔王「・・・・・・」
勇者「・・・・・・」
魔王「・・・・・・ふぇぇ」
勇者「・・・・・・ケーキ屋、いくか?」
魔王「うんッ・・・褒めて遣わすぅ・・・」
▶マオウ ノ 『チョロイン』 ガ 5アガッタ!
◇
ケーキ屋にて、
勇者「すんませーん」
店員(♀)「いらっしゃーい! あら勇者さん本名シンヤさん? と彼女ちゃんね?」
勇者「本編版の紹介どーも」
魔王「彼女ではないわ愚民め! まぁ良い、いつも通り妾に供物を捧げよ。巷で話題のはろうぃん要素などあると尚良い。カボチャとかカボチャとか、あとゴリラとか」
勇者「本編からの劣化がマッハだな」
店員「それがゴメンなさいねー? 今朝から品切れなのよー」
魔王「なッ!?」←状態異常:痙攣
店員「小麦粉の入荷が遅れててー」
勇者「どうかしたんです?」
店員「多分仕入れ先の西の農村で何かあったんだと思うけどー?」
魔王「・・・・・・」
勇者「・・・・・・おーい?」
▶マオウ ノ レベル ガ カンストシタ!
◇
西の村にて、
少女「いやぁ! 助けてお母さん!!」
母「ぐっ・・・娘を、放して・・・!」
オークA「ブヒヒヒィ! あー可愛いブヒねぇ?」ペロペロ
少女「うっ・・・やぁ・・・」
オークB「兄貴~、ボクにも貸してくださいよぅ~?」
オークA「仕方ないブヒねぇ~? じゃ、そっちを持つブヒ?」
少女「・・・や、やだ・・・やめッ・・・・・・」
母「どうか! どうか私を! その子は見逃してください!」
オークA「『はんぶんこ』ブヒよー!!!」
▶オークB ハ タオレタ!
オークA「・・・・・・は?」
▶オークB ハ チリ ト カシタ!
オークA「だッ誰ブヒ!?」
???「妾じゃ!!」
オークA「これまた可愛い娘ブヒヒヒ!」
母「あなた達、早く逃げて!! そいつは―――」
オークA「もう遅いブヒ! ボクのスキルは『怪力 LV50』!! ひとひねりブヒイイィィ!!!」
▶オークA ノ コウゲキ!
一応元魔王「邪魔じゃ」
ボキッ!
▶オークA ノ ミギテ ハ キエタ!
オークA「・・・・・・は?」
▶キエタ!
オークA「ぐあああああ!!」
魔王「・・・・・・とりっく」
オークA「いだだだだ!?」
魔王「おあァ!」
オークA「すッすみませんでしたァ! 勘弁してください勘弁してくだs」
魔王「とりィィ―――――とオオオオォ!!!」
▶マオウ ハ 『五月雨の黒雷』 ヲ ツカッタ!
▶マオウ ハ 『グラヴィトンボム』 ヲ ツカッタ!
▶マオウ ハ オチャ ヲ タテタ!
▶マオウ ハ 『崩界星理論』 ヲ ツカッタ!
▶オーク ノ グンゼイ ハ キエ ハナバナ ハ サキホコリ セカイ 二 ハロウィン ガ シントウシタ!
魔王「食べ物の恨みは怖いのじゃッ」ドヤァ
勇者「途中休憩挟んでたよな?」
少女「お母さぁん!」
母「本当にありがとうございます! どうかお礼をさせてください!」
魔王「とりっく・・・・・・」
母「?」
勇者「あー小麦粉って仕入れられます?」
◇
半日後、
魔王「ーーー甘いのぅ♥ 人間ごときのクセにのぅ、反則であろぅ♥」
勇者「褒めてんのかソレ?」
魔王「うむ、はろうぃんだけなら讃えようぞ」
勇者「・・・・・・」
魔王「どうしたのじゃ? 貴様の笑いは気に障る」
勇者「お前も、丸くなったなァって・・・・・・」
魔王「貴様ッ! 妾を愚弄するというなればーーー」
勇者「こっちのパンプキンパイいるかー?」
魔王「・・・・・・うん♥」
何故彼らがこんな仲になったのか、
事の真相を知る者は未だ存在しないという。
勇者「アレ? あんまハロウィン関係無くね?」
魔王「言うでないッ!!(泣)」