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彼が為の物語  作者: 吏人
第1章
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第1話 目覚め




「……んぁ」



白髪の少年はふと目を覚ます。


しかし、開いたばかりのその赤い瞳は暗闇だけを映し現状を伝えてはこない。


頬へと伝わってくるのは冷たい土の感触。


その感触によって少年は自分が地に横たわっている事に気付かされる。


その感触を頼りに腕をつき立ち上がると、漸く瞳が暗闇に慣れ周囲の状況を映し出す。



「どう……くつ?」



四方には壁が聳え立ち、出口がある様には見えない。



「うそ、だろ?」



それを認識すると同時に、少年の背中に汗が伝う。


出口が無いという事は、此処から脱出する事が出来ないという事。



──ここで、死んでしまうのか?



そんな考えが少年の頭を過ぎる。


少年はその事実に発狂しそうになるが、理性によって無理矢理意識を抑えつける。


ふぅ、と一息を吐き少年は現状の確認を行う。



「まずは僕の名前だ。 僕の名前は、えっと……あれ?」



少年は自分の名前が分からないことに混乱させられる。


そして、記憶すらも無いことを。


しかし、ハッ とあるシステムの存在を思い出す。


そのシステムに様々な情報が明記されている事も。


そして、そのシステムに縋るように起動の合言葉を発する。



「ステータス!」



その瞬間、目の前に透明なボードのような物が映し出された。



□□□



レイ (人間)


Lv 1


HP 240/240

MP 150/150


ATK 120

VIT 111

DEF 132

INT 230

AGL 273

DEX 312

MND 156

LUK 100


〈ユニークスキル〉

「*族 Lv-」 「地形把握 Lv1」 「空の王者 Lv1」 「空間魔法 Lv1」「アイテムボックス Lv1」 「経験値倍増 Lv-」 「翼 Lv1」「**武具召喚 Lv1」


〈パッシブスキル〉

「暗視 Lv-」 「剣術 Lv1」 「槍術 Lv1」 「全耐性 Lv1」 「危機感知 Lv1」


〈スキル〉

「原始魔法 Lv1」 「威圧 Lv1」 「鑑定 Lv1」


〈称号〉

「試練を受けし者」



□□□



「な……るほど? いやいや、おかしいよね?」



少年──レイは自分の名前を確認した後、自らのステータスを見て驚きを表す。


なぜなら、そのステータスは常人と比べて圧倒的に高いものだったからだ。



☆☆☆



レイはステータスの確認を行っていく。


現状、此処から脱出する事が出来る方法が無い為、自分のスキルから打開策を探すしかないのだ。



「うーん、この文字化けってどうにか直せないのかな?」



基本的にステータスに明記してあるスキルなどを押すことで説明が表示される。


しかし、文字化けしている箇所を押してみてもなんの反応が無かった為、レイのこのような発言に至ったのだ。



「……取り敢えず、見える所から見ていくかな」



そう言い、レイは上から順に内容を表示させていく。


地形把握 Lv1……自分が存在する半径5km圏内の地形を把握する事ができる。


空の王者 Lv1……空間把握能力と飛行速度上昇。ユニークスキル 空間魔法獲得。


空間魔法 Lv1……空間を司る魔法。


Lv1……位置変換


アイテムボックス Lv1……レベル×200種類の物を収納できる。


経験値倍増 ……獲得経験値を倍増させる。


翼 Lv1……翼を具現化し、飛行する事ができる。飛行速度はレベルに依存する。


暗視 ……暗闇の中でも昼間と同じ様に見えるようになる。


剣術 Lv1……レベルが上がる毎に剣の扱いが上昇する。


槍術 Lv1……レベルが上がる毎に槍の扱いが上昇する。


全耐性 Lv1……全ての基本耐性が上昇する。


危機感知 Lv1……危機を感知できる。


原始魔法 Lv1……魔法の起源に最も近いとされている魔法。古代基本属性である火、水、風、土、雷の魔法が使える。


Lv1……ファイアボール ファイア

ウォーターボール ウォーター

ウインドカッター ウインド

アースウォール アーススピア

サンダーウェーブ サンダー


威圧 Lv1……相手を怯ませることができる。


鑑定 Lv1……世界記録(ワールドレコード)を閲覧する事ができる。ステータス閲覧も可能。


試練を受けし者……高度な条件を満たし、試練へと挑む資格を持つ者。DEXに補正。ステータス偽装可能。




「……ま、まあ、ギリギリ常識内かな?」



レイはそう自分に言い聞かせ、異端ではないと納得させようとする。



「あっ」



そして、一つの事実に辿り着く。



──記憶もない状態でこんなところに放り出されてるのって、「試練を受けし者」って称号のせいじゃね?



と。



それは紛れも無い真実であり、これから先に幾つもの壁が立ちはだかるという事も示していた。





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