続き
前からの続き
彼の仕事は、昼前から夜中の1時まで。
私は、家庭があるから
会えるのは夕方まで。
夜に会うことなんて出来ないと諦めていた。
ある日、 運良く夜に時間が空いた。
クリスマスイヴの夜中だった。
ダメもとで、
彼に連絡してみたら、
仕事終わりに会ってくれることになった。
嬉しくて高鳴る胸の鼓動。
眠気と闘いながら、
出掛ける準備をする。
タクシーを呼んで、
待ち合わせの場所へと向かう。
これで彼がいなければ、
私はただの馬鹿だ。
閑散とした駅前。
「どこにいる?」
私はメールを送る。
「駅の向こうで待ってて」
どこからやって来るのだろう。
辺りを見回し、ふと後ろを見ると彼が来ていた。
嬉しかった。
「寒くなかった?」
「ちょっと寒いけど、平気だよ」
つい強がってしまう私。
甘え下手な自分が少し嫌になる。
さすがにクリスマス。
泊まるところはどこも満室。
唯一空いていた部屋があり、
そこへ泊まることになった。
仕事で疲れているであろう彼。
本当なら、ゆっくり寝ていてほしいところだけれど、
一夜を共に過ごせる喜びに、お互い眠れずにいた。
彼は、果てた後、静かに眠っていた。
私は、その顔が愛しくて、
眠れずにいた。
本当に、至福の時だった、私にとっては。
また続く