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10・勇者パーティー要らなくね?

ネイビーちゃんはご飯を食べた後、勇者パーティーの魔物討伐冒険譚を聞きたがった。よしよし!任っかせーなさーい。とくと聞かせてしんぜよう♪


えーとね!勇者キース君は魔物と出会うと必ず左右のホルダーから両手剣をクルクルっと回してから構える、なんて笑っちゃうクセがあるんだよ。たまに取り落としてるね!

忍者ベリル君は敵をすべて殲滅するとパラパパッパラ~♪と何処からともなく出したトランペットを吹くの。この間、まだ息のあった大蛇の魔物に後ろから噛み付かれちゃってたね!

そして魔法の竹ボウキ君はね。戦闘後に“50点!まだまだだな”とか“満点!グレイト!!”とか偉そうに評価を付けるんだよ!

ふふっ♪みんなとっても面白いよね!


ネイビーちゃんは楽しそうに聞くうちにトロンと眠ってしまった。


使った食器を湖で洗おうと洞窟の外に出た処で泥だらけ、汗だくでゼーハーなキース君とバッタリ会った。


あ!忘れてた!私攫われてたんだっけ!!心配させちゃったかな!?


「ミルフェ!!」


あれれ?キース君にびっちりホールドで抱きしめられている。


「ッ無事で良かった!!君がどうにかなったらと、気が気じゃなかった...!」


おおおい、ぎゅうぎゅういってるよ!?

ちょ、仲間を心配してくれたのは嬉しいけど、ぐるちぃし、んん?キース君?うっかり顔が近いよ!?

んんん!?更にどんどん近づいて~、来るよぅ~....


そのまま私は酸欠で気を失った。



*******



《最近勇者を避けているな。どうした?》


魔法の竹ボウキ君が聞かれたくない事をズバリ聞いてきた。


あれから白竜のネイビーちゃんも何故か魔物討伐の旅に引っ付いて来る事になった。よほど激辛激貧スープが気に入ったんだろうか?


ネイビーちゃんはなんと!炎以外でも吹雪きや暴風のブレスを噴けるのだ。遠距離から魔物の群れは一掃出来るし、他にも大きな守護結界を張れるので戦いがとっても楽になった。


あれ?勇者パーティー要らなくね?


まあ、うん。考えちゃダメだよ、うん。

それによくよく考えたら今まで前進あるのみのアタッカーばかりの戦いだったね。うん。私達今までよく無事だったよ!


《おい!聞いてるのか?....あいつ、少し憐れだぞ。お前に嫌われたのかと落ち込んでいる。》


いやいやいや!嫌うなんて絶対ないよ!キース君はいい子だもん!!

相変わらずあまり喋らないけど、もう分かっているよ?


《いい子、か。憐れだな。まあ、まだこの先チャンスはあるのか。》


チャンス?何の???


《にぶっッ...!!!》


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