第9話 中二部!(前編)
六時間目が終わり、終学活が終わった直後俺は前の男子の名前を聞いていないことを思い出した。
「俺は鈴木真人っていうんだが、お前の名前は?」
「遠山大地だ。よろしく」
ちなみにこの高校は部活動見学は早いところは今日からある。部活動見学は部活動見学がダメという知らせが部活動掲示板に張られていなければその部活の活動日なら見学していいらしい。
なので早速俺は部活動見学に行くことにした。ついでに今帰ろうとしている近衛さんも誘おう。
「近衛さん。これから部活動見学に行かない?」
「今日は空いている。なので一緒に行ってもいいぞ」
文芸部どうなってんだろう。もしかしたら部屋中に魔方陣が書かれていたり、部屋中に黒い壁紙が張ってあったりするかもしれない。さすがにそれは無いか。いくらなんでも自由すぎる高校だからといってそんなことをしたら怒られるだろう。
そんなことを思って文芸部に行こうと立つと突如、バンッ!!けたたましい音を立てながら後ろ側のドアが開かれ、『生徒会』と書かれている赤い腕章を着けた男子が入ってきた。そして後ろの黒板に大きく何かを書いた。そして去っていく。
後ろの黒板には大きくこう書いてあった。
『ミリタリー愛好部は男子中二部、文芸部は女子中二部とみんなに言われている。そこらへんを加味して選ぶように!!』
なんで中二病がミリタリー愛好部と文芸部で男女別れているんだよ!というか文芸部が女子中二部って言われているということは文芸部って女子ばっかじゃねぇか。別に良いんだけどさ。男女ともに友達が一人しか居ないから女子でも良いんだけどさ。男子友達の方が欲しかった。まあ、でも入るけど。
約束を反故にして文芸部に入らないという手もあるにはあるが約束した以上守るべきだからな。
「文芸部は止めたほうが良いんじゃないか?」
「そうしたいところなんだが、入って欲しいと登校中に頼まれて了承しちゃったから俺は入るよ」
「じゃ、じゃあ私も入ろう」
「良いのか?」
「良いのだ。どうせ真人以外とは喋れまい。だったら私は文芸部に入るぞ」
「お、おう」
いや、高校生に入ったんだし心機一転頑張ろうよ。まあ、こういうマトモな人が一緒に入ってくれるとなると有り難いんだけど。
そういえばさっきまでスルーしてたけど生徒会がこんな風紀を乱すような行動をして大丈夫なのか?新入生のためを思ってやったんだろうが廊下を走ってドアを思いっきりあけ中二部と書くのはさすがにまずいんじゃ。何かこの高校危険な気がするぞ。
いや、逆に生徒会にこんなことをせざる終えない状況に追い込んだ中二部連中がやばいのか。どちらにせよ暴力とかイジメとかそういう方面ではなくこの高校危険だな。自由すぎるのも考え物だ。
俺と近衛さんは部活動掲示板に行き、活動していることと見学を断っていないのを確認した後、文芸部が活動している第二準備室に行った。
そして、文芸部の扉を開くと部屋中真っ黒で床には蛍光塗料で魔方陣が書かれている部室と、登校中に会ったあの女の子がポツンとイスに座っているのが見えた。
ギリギリ出せた。