第19話 混沌(カオス)
と、言うことで。中二部は保健室に馳せ参じた。うわ~~とか思っただろ!べ、べつに中二部の面々に触発されたわけじゃないんだからねっ!
というのは冗談だ。
ーー仕切り直して。
日高さんが貧血で倒れたので一同は保健室に来ていた。もちろん中二部が場所を移した所で混沌なのは変わりなかった。ニ○ル子さんが這い寄ってきているのでは?と思うほどには......
「ああ~~わたしのペットがぁぁぁ!!!」
「日高さんが起きちゃうよ。神埼さん。それにペットじゃないでしょ」
「可愛い.....」
「ほ、本当に誰も気づいていないパターン!?嘘でしょ!?ねぇ気づいていると誰か言ってよ!!!」
中二病モードでない先輩が声を掛けないということは気付いていないのだろう。この人、、、どんだけ影薄いんだよ....
可哀想なので声を掛けるか。見知らぬ先輩に声を掛けるのは緊張するな。
よし!
「文芸部の先輩ですよね?私、文芸部に入りました鈴木真人って言います」
「おお!!!!まともそうなのが来たぞ!!!!それに俺に気付いてくれてるぜぇぇえ!!!!」
「隣の子と寝ている子も普通の子ですよ。それにまともって......」
「中二病のやつはまともじゃないだろ。あの子も普通の子か。中二病じゃない俺としては嬉しいことこの上ないね!!」
「それと先輩が影薄いんじゃなくて、みんな日高さんに気を取られているだけですよ」
「そ、そうかな。思い当たる節は多々あるんだが」
いかに中二部とは言われていても文芸部なことは間違いない。普通の人は先輩の代でも僅かに居るのだろう。
先輩が普通の人かどうかは実際わからないが。いや、ここに入る人は一癖や二癖あるのはこの代でもわかることだな。今のところ唯一の一般人は俺だけだ。なんだかんだでそれが楽しいけどな。




