第18話 気弱いうさぎ
そして、次の日の夕方。文芸部こと中二部に新たなメンツが加わった。
「よ、よろしくお願いしましゅッ。日高 結です!」
噛んだことにすら緊張で気づかず一生懸命に頭を下げているのは道端で先輩が勧誘をしていたあの気弱そうな女の子だ。
今日の先輩は中二病モードではないので穏やかな視線を日高さんに向けている。ただ、神埼さんは今にも・・・・・・
「あー可愛いね。よしよし緊張したね。先輩!この子私のペッドにしていいですか!!」
「だめです。日高さんが可哀想でしょ」
あーやっぱりこんな感じになったか。神崎さんの気持ちはわからんではないが日高さんの気弱さを察しろよ。ほら俺の横を見てみろよ。
今にも愛でたいけど我慢しているっぽい顔をしているぞ。近衛さんを見習え。そして日高さんの顔が青いこと青いこと、もうすぐで倒れそうな青さだ。やばい、近衛さんがハアハア言い出した。
「あわわわ」
「日高さん。大丈夫?」
「はあはあ、はあ」
「ねー先輩、いいじゃないですかー」
「オーッス。そろそろ部活見学も終わりに近づいてきたしな。顔ぐらい出しておこうかと。って混沌だな」
「天才文系の姉、天才理系の妹といわれてるんですよ。ペッドぐらい飼えますって」
「日高さん、意識ある?大丈夫?」
本当に混沌としているな。こんなに騒がしいものなのか中二部は。いや、騒がしいのはわかっていたが俺が想像していた騒がしさではない。
「あれ、俺に気づいてくれないの?ねぇ?」
「日高さん保健室つれてかないと」
「先輩ーどこ行くんですか~」




