第13話 ジーニアス
登校二回目というタイトルで前の話二つと統合します。この世界を紡ぐのに選ばれし者が一堂に会する機関に文芸部の中二名を変更しました。
「くっ!アマテラスの奴が怒っているのか」
「春にしては確かに暑いよな」
確かに今日は昨日の程よい温かさとは違い若干暑い気がする。少なくてもアマテラスが怒ったとかそんな大げさなレベルではないことは間違いない。
「アマテラスめ。貴様の浄化の光のせいでパラドックスが困っているじゃないか」
そう言うと先輩は暑いのにわざわざバッグから白いマントを取り出し羽織始めた。恐らくは浄化の光を遮断できるというグッズなのだろう。
そして羽織終わると急に右肩を後ろに動かし、まるで殴られたかのような動きをした。
「く、パラドックスの力が発動しにくいときにわざわざ狙ってきやがった。小癪な」
「誰に狙われているの?」
「異世界からの客人だ」
そういえば昨日も異世界からの客人とか言っていた気がするな。恐らくロールプレイしている設定というかそういうのでは敵は異世界からの客人となっているのだろう。
この感じだと意外と細かく設定が作り込まれているのかもしれない。聞いてみるか。
「部屋の魔方陣は何なんだ?」
「転移魔方陣か召喚魔方陣だ。あの部屋の魔方陣は機関の一員であった天才、神崎 理恵が創造したと言われている。ちなみに神埼理絵《天才》の妹が鈴木君のクラスにいるよ。彼女も負けず劣らずの天才らしい」
「へー天才な」
俺のクラスには少なくとも中二部に来るような変人は居なかったな。それに授業中に特出して頭の良いようなやつは居なかったし。
本当に天才だとしても何でこの学校に来るのだろうか。自由な校風だからか?まあ、中二病の集まりと言われている部活だし本当は天才じゃない可能性の方が高いけど。
他愛もない話をしていると個性的なオブジェに出迎えられた。