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女船員ジーナ
そういえば、日記を書くにも部屋はどこだろう。確か客室を使って良いって言われたけど、客室がどこだか分からない。まあ、夕飯の時に聞けばいっか。とはいえ何もしないで夜になるのも勿体ないし、船をぶらっと探索して見ようかな。そういえばルダは仕事中らしいけど、ちょっと後ろ姿だけでも見てみたいな。
「お、あんたが物好きの青年君だね。わたしは休憩中の船員ジーナだ。よろしくな」
「ウィルと言います。ロダなんかにはウィリーとか呼ばれてますが、どっちでも結構です。よろしくお願いします」
ぶらぶらしてたら女の人に出くわした。階段を下ってみようと思ったのだが、どうせならこの人に船について聞いてみようかな。
「ふむ、ウィルか。ちなみにわたしの専門は旗とかをたたんだり、食事の準備をしたりすることさ!」
「そうなのですか。ちなみに今日のご飯は何ですか?」
「そうだねぇ、干し肉に塩味の野菜にでもするかねえ。もうお腹が減っているのかい?」
家での癖から晩飯を聞いて、ウィルはとっさに顔を赤くした。ここは自宅ではないのだと、改めてウィルは思った。