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魔法使い
船ごと漂着してきた彼は、村を出る前に語ったという。「乗員はみんな避難用ボートで逃げていった。船に魔法使いなんて乗せるんじゃなかったって、ぼやいていたよ」と。
自身を魔法使いと名乗った彼は滞在中、介抱の礼にとあるマジックアイテムを渡してくれたらしい。それがローションである。
ところが今、そのローションが残りわずかとなって、西方の地へとローションを探しに行くこととなった。
探しに行くのは青年ウィルと、十人余りの乗組員達であったが、皆本格的な船乗りとしての経験はなく、不安を抱えている者も少なくなかった。