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天然お姫様(※自覚なし)は恋愛に疎いです!  作者: ももせ
4章 アリーシャの帰宅
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お母様とお兄様

 さて、お姉様とのお話も終わりましたし、そろそろサロンへ入らなくてはいけませんね。

 だって、マリアさんがずっとサロンの扉の前で微動だにしないんですよ。申し訳ないです。


「マリアさん、お待たせしてしまってごめんなさい。開けてもらえますか?」

「ええ、もちろんです」


 マリアさんが扉を開くと、サロンの中からなにやら甘い香りが。馴染み深いお菓子のような……ああ、わかりました。お母様特製の木苺を使ったタルトですね! 私がいない間に皆様だけで食べるなんて! ひどいです!


「お母様、私もタルトが欲し……」

「おかえりなさいアリーシャ。国王様と何もなかった?」

「は、はい。何もなかったですよ?」


 お母様が会話を遮るなんて! びっくりです。優雅さを損なわない程度に駆け寄ってきたお母様は、私の頭を優しく撫でてくださいました。でも、国王様と何があるというのでしょう?


「髪型、まっすぐに戻ってしまったのね。くるくるのアリーシャもとてもかわいかったのに」

「雨に濡れてしまいましたから……。でも、お母様にそう言っていただけてうれしいです」


 実を言うと私、くるくるの髪に憧れていたんですよね。だって、お母様もお父様もくるくるなんです。もちろんお姉様とお兄様方も。なのに私だけ……。誰とも少しも似ていないので、まるで血がつながっていないように感じたりします。そんなこと、あるわけないのに……ですね。


「おかえり、アリーシャ。本当に何もなかったのか?」

「もちろんです、ヒューお兄様。国王様には迷惑をかけてしまったので、後日お会いして謝りたいと思って……」

「俺が謝っておくから会わなくていい。そのほうがいいだろう」

「確かに、お兄様はお城に勤めていますものね。ではお願いします」


 なんて優しいお兄様! デュークお兄様なら絶対にそんな風には言ってくれませんよ。アリーシャが会う必要も、謝る必要もないんだから! って言いそうですよね……。

 今気づきましたが、お兄様のお召し物がいつも

と違います。黒い生地に金の薔薇の刺繍……騎士のお仕事のお召し物! わぁ~かっこいいです! 


「お兄様、今日は家からその格好でお仕事へ向かうのですか?」

「ああ。早く国王を抹さ……に謝りに行きたいんだ。着替える時間が惜しくて」

「そうなんですか! かっこいいです!」

「あ、ありがとう」


 照れてるお兄様も珍しいです。そしてすごくかっこいい!


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