アリーシャの勘違い
私の家族って、こんなに過激な方ばかりだったでしょうか? でも、皆様私のために怒ってくださっているんですよね。なら、私が止めなくてはいけません!
だって、私がこうしている間にだんだんと話の内容が過激になっています……! 朝からする話ではありません!
「お姉様、私が止めてみせます」
「あら、止めなくていいのよ。だって当然の報いでしょう?」
「で、でも! 私、国王様のこと……」
ああ、お姉様に言うのがなんだか恥ずかしいです! だってこれは国王様が関わってくる大切な問題ですし……。お姉様はもちろん、私にだって関係あるんです。なら、やはりお姉様には伝えるべきですね。
「聞いてくださいお姉様。私、私……」
両手を胸の前で組んでお姉様を見上げると──あら? お姉様? なんだかお顔が真っ青です。それになんだか震えて……ま、まさか! 私の風邪が移ってしまったのでしょうか?! 大変です!
「リ、リリリリーちゃん! あなたもしかして……」
「は、はい?」
お姉様がなにやら必死の形相で私の肩をつかみました。真っ青ですが、どうやらお風邪ではないようです。安心ですね。でも、だとしたら一体なにが?
「好き……だとか言わないわよね? ね?」
「気づいていらっしゃったんですか?!」
びっくりです! まさかお姉様が気づいていただんて。そうです。実は……国王様はお姉様が好きなのですよ! 私と一緒にいたがったのも、本当はお姉様といたかったから。だってお姉様は私を迎えにきたのですから、私が帰るのが遅くなればなるほどお姉様と一緒にいれますもの。そして、帰り際のお二人! 会話は聞こえませんでしたが、親しげに笑みを交わされていました。私の前だとキラキラの少しにやついた笑みですが、お姉様の前では違いました!
国王様がお兄様になるかもしれませんね!




