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天然お姫様(※自覚なし)は恋愛に疎いです!  作者: ももせ
4章 アリーシャの帰宅
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影さんの帰還


 寝起きの格好なんて恥ずかしいです。おはようございます、アリーシャです。


「こんな格好で申し訳ないのですが、ここはどこなのでしょうか?」

「ここ? ここはね……」


 国王様は、なぜか言いにくそうに目を泳がせました。私、何かいけないことを聞いてしまったのでしょうか?

 でも、お城ってお部屋がたくさんありますし、空き部屋か何かだと思うのですが……。


「ここってね、花嫁の部屋なんだよ」

「影!」

「……影さん?」


 天井から聞こえてきた聞き覚えのある声……国王様の驚いたような声でわかりました。影さんですね! あの雨の中無事に帰ってきてくださったようでうれしいです。

 

「おはようございます、影さん。花嫁様のお部屋とはどういうことなのですか?」

「詳しく言うと、国王様の花嫁となる人の部屋の部屋の……部屋、かな?」

「部屋の部屋の……部屋、ですか?」


 国王様の花嫁様となると、お部屋が三つももらえるのですね。でも、そんなに使うんでしょうか。


「うん。普段過ごす部屋、たまに過ごす部屋……極稀に過ごす部屋だよ。狭いでしょ?」

「確かに、私のお部屋よりは狭いですが……」


 ……あら? ということは、私の使用したベッドに別の女性が寝るのですよね? それってダメです。だって、他の女性が使用したなんて知ったら、花嫁様が悲しいでしょう?


「ベッド、買い替えますね」

「え?! いやでも……このベッド、これからもアリーシャに使ってほしいなぁなんて言ったら嫌われかな? 花嫁になってほしいって……」

「……ごめんなさい国王様」

「きっ、聞こえてた?」

「いいえ。全く聞こえなくて」

「そ、そう」


 私は国王様が何を言っているのかわからなくて困っているのに、なぜか国王様は安心したかのようにほっと息をつきました。私にはきっと聞かれたくないお話だったんでしょうね……。





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